無線綴じ冊子の入稿前チェックリスト – 失敗しない製本のための5つのポイント

無線綴じ冊子の入稿前チェックリスト - 失敗しない製本のための5つのポイント

無線綴じは、書籍や厚めの冊子に適した製本方法として人気がありますが、その特性を理解せずにデータ入稿すると、思わぬトラブルが発生することがあります。仕上がりの美しさと機能性を確保するためには、入稿前の確認が不可欠です。本記事では、無線綴じ冊子を発注する際に必ず確認すべき5つのチェックポイントを解説します。

背幅の正確な計算

背幅の正確な計算

無線綴じ冊子の見栄えを左右する重要な要素が背表紙です。背表紙の幅(背幅)が正確に計算されていないと、表紙デザインがずれたり、背表紙の文字が見切れたりする原因になります。

背幅の計算方法は、「本文の紙厚 × ページ数 ÷ 2」が基本となります。ただし、使用する用紙によって紙厚は異なりますので、正確な数値を確認することをおすすめします。

また、製本工程での糊の厚みも考慮する必要があります。一般的には0.5〜1mm程度を追加するとよいでしょう。不安な場合は、背幅計算ツールを利用するか、直接問い合わせて確認するのが確実です。たとえば、一般的なコート紙90kg(約0.09mm)で100ページの冊子を作る場合、背幅は約4.69mmとなります。

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ノド余白の適切な設定

ノド余白の適切な設定

「ノド」とは、本を開いたときに中央に近い部分のことで、ここに十分な余白がないと、文字や画像が読みづらくなってしまいます。無線綴じは製本の特性上、開くと内側の部分が見えにくくなるため、他の製本方法よりも多めのノド余白が必要です。

適切なノド余白は、一般的には最低でも10mm以上が推奨されます。特に見開きデザインを使用する場合は、15mm以上確保することで、情報の欠落を防ぐことができます。ノド付近に重要な情報や写真を配置すると、製本後に見えなくなってしまう可能性があるため、注意が必要です。

レイアウトソフトを使用している場合は、ドキュメント設定でノド余白を明示的に設定しておくと安心です。また、印刷用PDFを作成する前に、実際のサイズでプリントアウトして中央を折り、情報が隠れないか確認するのも効果的な方法です。

表紙データの正確な作成

表紙データの正確な作成

無線綴じの表紙は、表1(おもて表紙)、表4(裏表紙)、背表紙を一枚の展開データとして作成する必要があります。このデータ作成が不正確だと、背表紙の位置ずれや、表紙全体のバランスが崩れる原因となります。

表紙データを作成する際は、以下の点に注意しましょう:

  • 表1、表4、背表紙を一枚の連続したデータとして作成する
  • 背幅を正確に計算し、背表紙の幅を設定する
  • 裁ち落とし(塗り足し)を上下左右3mm以上設ける
  • 背表紙の両端に折り目のための罫線を入れない(印刷会社が折り加工を行います)
  • 背表紙の文字は読みやすい向きに配置する(横書きの本なら上から下、縦書きの本なら右から左)

背幅が3mm未満の場合は文字入れが難しく、5-10mmの場合は6pt以上の文字サイズを推奨します。特に背表紙のデザインは、書棚に並べたときに見える部分ですので、文字サイズや配置には十分配慮しましょう。

ページ数と製本構成の確認

無線綴じ冊子は、基本的に表紙4ページ+8の倍数のページ数で構成するのが理想的です。これは、印刷の工程で用紙を折り込んで「折丁」を作る際に、8ページごとにまとまるためです。

表紙4ページ分を除いた本文ページ数が8の倍数でない場合、白紙ページが追加されることになります。例えば、本文100ページの原稿を入稿すると、実際の冊子は104ページになり、最後に白紙が4ページ入ることになります。初めから8の倍数でページ数を設計しておくと、不要な白紙ページを避けられます。

画像や色の品質確認

画像や色の品質確認

最後に確認すべきは、画像の解像度や色の設定です。美しい仕上がりを実現するためには、適切な画質と色設定が不可欠です。

印刷用の画像解像度は、一般的に300dpi以上が推奨されます。Webからダウンロードした低解像度の画像(72dpi程度)をそのまま使用すると、印刷物では粗い仕上がりになってしまいますので注意が必要です。

また、カラーモードはRGBではなくCMYKに変換して入稿するのが基本です。RGBで入稿すると、印刷時に自動変換され、予期しない色味になることがあります。特に企業ロゴなど、色の正確さが求められる要素は、必ずCMYK値を確認しておきましょう。

ファイル形式はPDF/X-4形式が推奨され、トンボは3mm、塗り足しも3mm以上必要です。

まとめ

いかがでしたか?

無線綴じ冊子の入稿前には、①背幅の正確な計算、②ノド余白の適切な設定、③表紙データの正確な作成、④ページ数と製本構成の確認、⑤画像や色の品質確認という5つのポイントをしっかりチェックしましょう。これらを丁寧に確認することで、プロフェッショナルな品質の冊子が完成します。不明点がある場合は、印刷前に印刷会社に相談することをおすすめします。

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