くるみ製本とは?無線綴じとの違いや特徴・メリットを紹介

くるみ製本って何?他の冊子製本とどう違うの?

冊子を初めて作ろうとした場合、専門用語がたくさんあり、迷ったことはないでしょうか。
製本に関するだけでも「くるみ製本」「上製本」「並製本」などさまざまな用語がありますが、この記事ではくるみ製本を中心に解説していきます。
冊子の印刷を考えている人は最後まで読んで参考にしてください。

くるみ製本とは?

くるみ製本1
くるみ製本」とは、呼び名のとおり、本文を表紙でくるむように作る製本方法です。

本文と表紙は別々に印刷して、合成糊で、表紙に本文を接着して綴じます。
綴る際に針や糸は使用しないので無線綴じ」とも呼ばれます

ホッチキスなどでは止められない150ページ以上の冊子でもくるみ製本なら綴ることができます。
雑誌や単行本など日常で見かけるページ数の多い本の多くは、くるみ製本が使われています。

くるみ製本(無線綴じ)の特殊な加工方法「ガリ」とは?

くるみ製本_追加1

くるみ製本には「ガリ」と呼ばれる特殊な加工方法を使用します。
「ガリ」は、背部分にあえて溝を作る加工方法です。

くるみ製本では、本文を綴じる際に、束ねた本文用紙の背部分に糊付けを行います。糊付けの際にガリを施しておくことで、溝に糊が入り込んで馴染みやすくなります。また、糊と本文用紙が接する面積が増えることで、本文の接着強度を高めることができます

「ガリ」によって、100ページ以上のボリュームや長期保管にも耐えうる高い強度の冊子が実現します。

くるみ製本(無線綴じ)のメリット・デメリット

くるみ製本には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

くるみ製本のメリット
・頑丈で長期保存向けの冊子ができる
・100ページを超えるページ数の分厚い冊子に向いている
・背表紙ができるので、背に厚みのあるものは文字を入れることができる。本棚に陳列しても背で本を判断できる
くるみ製本のデメリット
・ページ数の少ない冊子には向いていない。
・構造上、ページを完全には開くことができないため、綴じ付近の文字や絵柄は読みづらくなる。

くるみ製本(無線綴じ)と中綴じの違いについて

くるみ製本は糊で綴じた本文に表紙を接着するのに対し、中綴じは糊を使わず、表紙・本文を重ねて数カ所、針金や糸で綴じます

くるみ製本_追加2

くるみ製本は中綴じよりも多くのページ数を綴じることができ、数百ページの冊子にも対応できるのが特徴です。 逆に、少ないページ数の冊子にはくるみ製本は向いていません。また、中綴じに比べると、ページがやや開きづらくなります。少ないページ数の冊子には中綴じの方が向いています

くるみ製本(無線綴じ)が向いている冊子

くるみ製本4くるみ製本は、ページ数が多く、長期保管される冊子に向いています。

例えば、本棚に並べて保管する小説や参考書、数百ページにも及ぶ分厚いカタログや報告書を作成する際には、くるみ製本が最適です。
背表紙に文字を入れることができるので、本棚でもひと目で本を探せるメリットもあります。

記念誌、写真集、問題集、専門書、同人誌、小説、報告書、会社案内、パンフレット、カタログなどによく使用されます。

くるみ製本(無線綴じ)が向いていない場合

多くの冊子に使用されている「くるみ製本」ですが、向いていない場合もあります。
見開きを活かしたい本、ページ数が少ない本は、他の製本方法が向いています。
十数ページ程度のページ数が少ない小冊子や、見開きで表現したい絵本などは、見開きの中央をホッチキス(針金)で綴じる「中綴じ冊子」がおすすめです

くるみ製本では、表紙を本文と糊付けする構造上、ページ数が少ない冊子は製本が難しく耐久性も悪くなります。また、綴じ部分までページを広げることが難しいため、見開きは見づらくなります。

「上製本」、「並製本」とはどう違うの?

くるみ製本2

製本方法を指す用語として使われる「上製本」「並製本」との違いについても解説します。
覚えておきたいのは、「上製本」「並製本」は「表紙の仕立て方」、「くるみ製本」は、「表紙の留め方」での分類ということです。

上製本
ハードカバーの冊子に使用される製本方法です。
表紙は厚紙を芯として、本文よりひと回り大きいサイズを使用し、本文をしっかりと保護できるのが特徴です。
糸・糊・針金などで綴じられます。
並製本
ソフトカバーの冊子に使用される製本方法です。
表紙には芯が入らず、本文よりやや厚みのあるか本文と同じ紙が使われます。
上製本より簡易な作りで、綴じにより「中綴じ」「無線綴じ」などに分類されます。

くるみ製本は「表紙を本文に巻きつけて、背の部分を糊で綴じる」製本方法で、「上製本」「並製本」のどちらにも使用されます。

逆に、背を糊以外で綴じる場合は「くるみ製本」には該当しません
針金で綴じる「中綴じ」やリングで留める「リング製本」、糸で表紙と本文を縫い付ける「糸かがり綴じ」などは、上製本や並製本に該当しますが、くるみ製本ではありません。

製本方法については以下のページでも解説しています。
>>冊子の綴じ方、製本の種類とは

くるみ製本をプリントモールで印刷する場合に必要な情報

くるみ製本_追加3

くるみ製本(無線綴じ)をネット印刷プリントモールで印刷する場合の注意点についても紹介しておきます。

まず、くるみ製本は、本文と表紙を糊付けするためページ数の少ない冊子には向いていません。くるみ製本で印刷する場合はページ数は最小32ページから対応しています。32ページ未満の場合は、中綴じで印刷しましょう。

また、印刷対応ができる本文ページは8の倍数になります。
8の倍数に当てはまらないページ数でデータを作成していた場合は「ページ数調整用素材」などで調整を行ってください。
>> ページ数が不足していた時に使える「ページ数調整用素材」はこちら

ネット印刷プリントモールでは、サイトからのご注文は本文504ページまでお選びいただけます
※ご注文の際は「無線綴じ」をお選びください。発注数が100部未満の場合は、本文200ページまでお選びいただけます。
サイト掲載以外の部数・ページ数についてご希望の場合は事前にお問い合わせください。
>> サイトで価格をチェック!プリントモールの「くるみ製本(無線綴じ冊子印刷)」はこちら

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くるみ製本(無線綴じ)の原稿作成方法と注意点

くるみ製本のデータの作り方にはいくつか注意点があります。

・表紙データは、表紙・裏表紙・背表紙をセットにして作成する。
・背表紙は、背幅を考慮して作成する
・絵柄や文字は、綴じ部分から10mm以上離して配置する

【表紙データは、表紙・裏表紙・背表紙をセットにして作成する】
くるみ製本の表紙データは、表紙・裏表紙・背表紙で構成されます。

【背表紙は、背幅を考慮して作成する】
背表紙の幅(背幅)は、用紙やページ数によって変わるため、デザインする際には注意が必要です。
背幅が3ミリ以下の冊子の場合、背表紙にタイトルは入れない方が良いでしょう。

【絵柄や文字は綴じ部分から10mm以上離して配置する】
見開きで完全にページを開けない構造のため、綴じ部分付近に文字やイラストを配置すると、冊子にした際に隠れてしまったり、読みづらい場合があります。
綴じ部分から10mm内には文字や絵柄は配置しないようにし、ページデザインは余白を持たせて設計しましょう。

データ作成時の注意点については以下でより詳しく解説しています。

>>くるみ製本(無線綴じ)データ作成時の注意点

くるみ製本の印刷はプリントモール

プリントモールではくるみ製本(無線綴じ)の印刷36ページ(表紙4ページ、本文32ページ)、5部の印刷から承ります。
※ご注文の際は、サイトにて「無線綴じ冊子」をお選びください。

自社の冊子製本専用ラインで高速製造することで、他社と比較してもリーズナブルな価格でご提供しております。
表紙を華やかにするPP加工や、本文にカラーページを差し込めるサービスにも対応します。
印刷部数や用紙サイズでご不明点がありましたら、お気軽にご相談ください。

>>プリントモールのくるみ製本(無線綴じ冊子)印刷はこちら

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まとめ

くるみ製本は、分厚い参考書から小説まで幅広く活用できる印刷方法です。数百ページにも対応でき、長期保存に向いた丈夫な冊子に仕上げることができます。

ネット印刷プリントモールではくるみ製本以外の中綴じなど他の製本もおこなっています。 冊子作りに関してご不明点があれば、お気兼ねなくお問い合わせください。

冊子作りの参考として、くるみ製本を検討してみましょう。

冊子製本お役立ちコラム編集部

冊子の印刷製本を考えている方に、知っておきたい知識やお得な情報をお届けしています。はじめての方にもわかりやすく丁寧な記事を心がけています。 日々、お客様からのお問い合わせと注文対応に追われながら学ばせていただいています。

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