Canvaで冊子データを作る方法と注意点!ポイントを解説

スマホアプリやPC・タブレットのブラウザから使用できるデザインツール「Canva」では、デザイナーではない人も手軽にパンフレットやカタログなどの冊子データを無料で作ることができます。

しかし、フォントの埋め込みや塗り足しサイズ、カラーデータの設定など注意すべき点もあります。

そこでこの記事では、Canvaで冊子印刷用のデータをスムーズに作る手順と注意点を解説します。

Canvaで冊子デザインを作る手順

Canvaで冊子デザインを作る方法を順にご紹介します。

①デザインを作成:単位をpxからmmに変更

出典:Canva

「デザインを作成」から、「カスタムサイズ」をクリックすると、上記のサイズ入力画面になります。「単位」は初期設定が「px(ピクセル)」になっているため、「mm」に変更します。印刷したいサイズを確認しましょう。

②塗り足し分を加えたサイズに設定

上記の画面で、印刷したいサイズに幅・高さともに「3mm」を加えたサイズを入力します。印刷する場合、紙をカットするため、データ入稿の際にこの「塗り足し」分の3mmが必要になります。

「塗り足し」を想定してデザイン作成しないと、最悪の場合、文字や画像部分があるはずの箇所が下のように切れてしまいます。

>>塗り足しって?印刷で足りないと困る!作り方を解説

③表示の設定で「ガイド」を作成し、塗り足し部分を可視化する

「ファイル」をクリックして「設定」から「定規とガイドを表示」をクリックします。

画面左端の定規部分にカーソルを持ってくると、矢印が表示されるので、その状態で右側にドラッグすると、青い線が出てきます。左側では3mm、右側では既定のサイズからマイナス3mmの箇所に設置します。

上下も同様に設置することで、塗り足し箇所がわかるようになります

④好みのテンプレートを選択し、デザインを作成

塗り足し箇所をガイドで設定したら、テンプレートを選びます。

検索窓に「冊子」や「雑誌」と入力すると、お好きなデザインが見つかりやすいでしょう。

好きなテンプレートを選んだら、実際に使う写真やイラスト、テキストなどを入れてカスタマイズします。

冊子:テンプレート

冊子以外を作りたい場合にも、二つ折りパンフレットや三つ折りパンフレットのデザインもあります。

二つ折りパンフレット

三つ折りパンフレット

⑤デザインをPDFファイルにダウンロードする

デザインが完了したら、PDFファイルにダウンロードします。

「共有」ボタンをクリックし、ファイルの種類は「PDF(印刷)」を選択ください。

さらに「トリムマークと塗り足し」をチェックします。

「カラープロファイル」有料版をお使いの方は「CMYK」を選択、無料版の方は「RGB」を選択ください。

Canvaでデータを作成する場合の注意点3つ

Canvaでデータを作成する場合には、次の5点に注意しましょう。

  • フォントの埋め込みがされているかを確認する
  • RGBデータをCMYK化する
  • 塗り足し分に注意
  • ノンブル(ページ番号)をなるべく入れる
  • 余白に注意する

フォントの埋め込みがされているかを確認する

フォントの埋め込みとは、「PDFファイルに、フォント情報を一緒に持たせること」です。フォントを埋め込むことで、別の人がPDFデータを開く際、その環境に同じフォントがなくてもオリジナル通りに同じフォントを表示・印刷することができます。

また、英語やそのほかの外国語環境においても、同様にフォントを表示・印刷することができます。

フォントが埋め込まれているかどうかは、次の方法で確認できます。

  1. Adobe Acrobat(もしくは、Adobe Acrobat Reader)を開く
  2. 「メニュー」→「文書のプロパティ」をクリック
  3. 「フォント」タブを選択
  4. すべてのフォントのあとに「埋め込みサブセット」「埋め込み」と表示されていればOK

もし表示されていない場合は、埋め込まれていないフォントがあることになります。印刷会社にファイルを受け渡した際に、データの再入稿を求められたり、正しく印刷されなかったりする可能性があります。

フォントの埋め込み方法について詳しくはこちらをご確認ください。

>>フォントの埋め込みって何?メリットやPDFへの埋め込みを解説

RGBデータをCMYK変換する

Canvaで作成したデータのカラー形式は、Webカラーの「RGBデータ」です。しかし、印刷するにはカラー形式を「CMYK」に変える(CMYK変換する)必要があります。

しかし、RGBデータをCMYK化すると色がやや暗くなってしまう傾向があります。

>>印刷・DTPで役立つ!RGBデータをCMYK変換する方法

PDFデータであれば、印刷会社でCMYK変換可能です。印刷会社によっては「特色印刷」という方法でRGBの鮮やかな色を表現することができるため、確認してみましょう。

プリントモールでは、特色印刷にも対応しております。フルカラー印刷では表現できない色(パステルカラーや蛍光色、金、銀、パールなど)を使用してデザイン性を高めたい、目立たせたい場合などにおすすめです。詳しくはこちらをご覧ください。

特色印刷のお見積り・お問い合わせはこちらから。

ノンブル(ページ番号)をなるべく入れる

「ノンブル」とは、本や冊子のページ端に記載されているページ番号を指すもので、出版や印刷・DTPでよく使用されます。ノンブルは入れておいた方が確実です。

ただ、ノンブルは必ず記載しないといけないというものではありません。しかし、ページ番号が記載してあれば、より正確な印刷につなげられます。

>>ノンブルとは?意味や役割・よくある質問を紹介

中綴じ製本で冊子を作成する際は、「面付け」という作業が必要になりますが、配置するページ番号を間違えると、製本後に冊子にした際にページ順がバラバラになってしまいます。

こうしたミスを防ぐためにもページ番号を振っておけば安心です。読者にとってもわかりやすくなります。

ノンブルの配置位置に厳密な決まりはありませんが、冊子の内容を邪魔することがないよう、配慮しておきましょう。配置パターンとしては、次の5パターンがあります。

  • ページの下部端に入れる
  • ページの上部端に入れる
  • ページの中央に入れる
  • ページのどちらか片側に入れる
  • 見開きのノンブルをまとめて片方のページに入れる

一方でノンブルを配置してはいけない範囲があります。下図のグレーで記載した箇所です。

グレーの箇所にノンブルを配置しても、製本時の断裁ずれなどで切れてしまったり、冊子の製本時に隠れてしまう可能性があるからです。ノンブルはページの端から余裕をもって配置しましょう。

>>【冊子印刷で押さえたい】ノンブルの配置位置について

Canvaで作成したPDFファイルを冊子印刷する方法

Canvaで作成したPDFファイルを冊子として印刷したい場合、次の方法があります。

  • プリンタで印刷する
  • コンビニプリントする
  • 印刷会社に依頼する

プリンタで印刷する場合やコンビニプリントで印刷する場合は、ページ数が少ない場合の「中綴じ製本」のみ可能です。ページ数が多い場合や背表紙を付けたい場合に活用する「無線綴じ製本」で印刷する際には、印刷会社に依頼した方が良いでしょう。

>>PDFファイルからの製本!プリンタやコンビニと印刷会社を比較

プリンタで印刷する場合:手間が掛かる

プリンタで印刷する場合は、次の手順となっています。

  • ページ数を確認する
  • 面付け作業をする
  • ページ順の原稿を作る
  • 紙を選ぶ
  • 印刷する
  • 製本する

少部数印刷や試し刷りしたいという場合にはおすすめですが、面付け作業やホッチキス留めを自分でする必要があるため、手間が掛かります。さらに、面付け作業でページミスをしてしまう可能性もあります。

コンビニプリントで印刷する場合:割高になる

コンビニのマルチコピー機でも「小冊子プリント」という機能を使って、印刷できます。操作手順は、画面の案内に沿って入力すれば良いので簡単です。

手順は次の通りです。

  • トップ画面からプリントを選択
  • 普通紙プリントを選択
  • USBやネット転送などによるデータを読み込んで印刷

小冊子プリントに対応していない場合には、「両面印刷」でプリントしましょう。印刷後は、ホッチキス留めなどの製本作業は自宅でのプリンタ印刷と同様です。

コンビニプリントで印刷する場合の価格は、次の通りです。

  • モノクロ:10円程度/1枚
  • フルカラー:50円程度/1枚

1枚あたりでみると安いものの、ページ数が増えていくごとに費用が割高になってしまうことがあります。

プリントモールでは、1部あたりの料金が無線綴じ冊子で59.56円〜中綴じ冊子で16.25円〜となっており、大量に印刷したい場合にお得です。

印刷会社に依頼する場合:手間が掛からず割安・クオリティが高い

印刷会社に依頼する場合は、原稿のPDFデータを入稿するだけでよく、ページの配置(面付け)や製本作業などを任せられます。手間が掛かり、ミスが起きやすい作業も印刷会社に依頼することでより正確に、クオリティの高い印刷物が期待できます。

さらにプリントモールでは少部数印刷にも2,000部以上の大部数印刷にも対応しており、部数が多いほど割安となっています。

また、自宅やコンビニプリントでは中綴じ製本しか対応できませんが、印刷会社の場合は、中綴じ製本・無線綴じ製本ともに対応可能です。

>>【製本方法の選び方】無線綴じ・中綴じ冊子の違いとは?実例も紹介

中綴じ製本では、見開きでページが開きやすく、小冊子やパンフレットなどページ数が少ない場合におすすめです。

無線綴じでは、背表紙のある本格的な仕上がりが特徴で、カタログ・マニュアル・テキストなどにおすすめです。

Canvaの冊子データ印刷ならプリントモールにお任せください

本記事では、Canvaで冊子印刷用のデータを作る手順と注意点、Canvaで作成したPDFファイルを印刷する方法について紹介してきました。

Canvaで冊子印刷用のデータを作る際には、次の4点に注意しましょう。

  • 塗り足し分を加えたサイズで作成する
  • フォントの埋め込みがされているかを確認する
  • RGBデータをCMYK化する(印刷会社に依頼する場合は不要)
  • ノンブル(ページ番号)をなるべく入れる

作成したPDFを印刷する場合は、印刷会社に依頼することで最も正確で手間が掛からず、クオリティの高い印刷物が期待できます。プリントモールなら、少部数・大部数のどちらも印刷可能で、2,000部以上の印刷にも対応しております。

Canvaで冊子印刷データを作成の際もぜひご相談ください。

冊子製本お役立ちコラム編集部

制作チームです。製品や会社のこと、制作課のことを書きます。 ※複数人いるので、記事のクオリティが多少異なります。恐れ入りますがご了承ください。

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