卒業文集の書き方・指導方法と作り方は?おすすめの製本方法もご紹介!
卒業文集は思い出をギュッと綴じ込めた大切な冊子ですね。最近では趣味のサークルやグループの活動記録などを特別な1冊として文集の形で残したいという要望も多くなっています。
この記事では、文集の編集が初めての方に向けて、文集の作り方を簡単に解説します。
文集の制作作業は早めにスタートしましょう
卒業文集には、たくさんの人の原稿や写真を盛り込みたいなどとイメージがふくらむものです。そうすると、どうしても制作にかかる時間が長くなってしまいます。
卒業文集作りは、3月の卒業式シーズンに向けて、余裕を持ったスケジュールで臨むのがベストです。編集作業を開始するのは、2学期の初めの秋頃からがおすすめのタイミングです。
遅くとも、冬を迎える前にはスタートする必要があるでしょう。
卒業文集の書き方と指導方法
卒業文集を作るにあたり、生徒に対して指導する事もあるでしょう。
ここでは、子どもにとって最高の卒業文集を作り上げるための指導のポイントや、子どもにどう寄り添って卒業文集を作ればよいのかを説明していきます。
子どもたちに「書く意欲」をしっかりもたせる
まず大切な事は、子どもたちに「書く意欲」をしっかり持たせることです。
大人でもそうですが、やる気があるのとないのでは取り組む姿勢や成果物に大きく差が出ます。子どもには、卒業文集が持つ目的や意味を理解する事はなかなか難しいので、具体的に教えてあげましょう。
例えば、「小学校の最後に書く一番長い作文です」「ここで書いたことは一生残り、後々見直すこともあります」「友達もみんな見ます」等です。
こういう話をすることで、子どもたちは「考えてしっかり書かないと」と思ってくれます。
過去の卒業生が作成したものを見せたり、実際に書く原稿用紙やテーマについて説明するのも効果的です。
テーマを決める
子どもたちに意欲を持ってもらい、さあ始めようとなったら最初にテーマを決めます。
基本的には自由に何を書いてもいいのですが、ある程度テーマを指定したり、過去の例を教えてあげるとスムーズに決めることができます。
一般的なものとしては「将来の夢」や「楽しかった学校生活の思い出」でしょう。「小学校6年生の今の自分が大切にしていること」でもいいですね。自分で考えさせるようにできるとより良いです。作文的なものでは無い場合、クラスの中での○○ランキングや、個人一人一人の簡単なプロフィール、寄せ書き等がよくあるテーマです。
テーマに沿って「何を書くか」を決める
テーマが決まれば、実際に何を書くかを決めていきましょう。
例えば「将来の夢」がテーマであれば、どんなきっかけで夢見るようになったのか、これからどうしたいのか等を深堀りしていきます。「楽しかった学校生活の思い出」であれば、どのイベントで、その中で楽しかったポイントを書き出しましょう。まずは思いつく限り書き出していくと、だんだんと載せたい項目が決まっていきます。
注意点としては、出来事の羅列は避けて、思い出や考えている事、わかる範囲で具体的なエピソードを記載する事です。単純に移動教室に行った事をただ書くのではなく、その時に楽しかったことは何か、何を感じたのかを書くことで将来見返した際に楽しい卒業文集になります。書き始める前に子どもたちにポイントを説明してあげましょう。
また、クラスの中での○○ランキングや個人一人一人の簡単なプロフィールの場合、その項目を決める必要があります。生徒が自主的に決めてくれれば良いですが、なかなか決まらず停滞していたらヒントを与えて納期に間に合うように手助けしていきましょう。○○ランキングで定番なのは「将来大物になりそうな人」「面白い人」「実は憧れていた人」といったものがあります。
注意点としては、「つまらない人」等ネガティブなものは避けるようにする事です。
一人一人の簡単なプロフィールについても、生徒が決めていくのが一番ですが、将来見た時に懐かしさを感じられるポイントがあるとなおよいでしょう。例えば、好きな歌手やテレビ番組、ユーチューバー等は将来見返した際に「ああそういえば当時は好きだったなぁ」と思い返すことができるのではないでしょうか。
構成を考える
テーマが決まれば、その中で構成を考えていきましょう。
定番の「将来の夢」や「学校での一番の思い出」といった作文的なものの場合、基本的な構成は「はじめに」「メイン」「まとめ」です。
それぞれの割合については特に決まりはありませんが、大まかに「メイン」で8割強、残りを「はじめに」「まとめ」で書くようにします。「メイン」についてはもう少し分割、例えば3つくらいの段落に整理して書いてもよいでしょう。
あらかじめ原稿用紙に目安の目印をつけておくと書きやすくなります。
卒業文集を書く
構成が決まったら、実際に卒業文集を書いていきます。
卒業文集を書いていく時のポイントは2つあります。
まず、文字数がちょうどいいくらいになるかフォローしましょう。
所定の文字数よりも大幅に少ないと、後々生徒自身が少し寂しい思いをしてしまいかねませんので注意しておきましょう。
続いて、習っている漢字はきちんと書くように指導しましょう。
後でひらがなを漢字に変えて文字数が変わるとそれ以降を全て書き直さなければならなくなります。初めから漢字で書くようにしておきましょう。文字は修正を見越してペンではなく、鉛筆やシャープペンシルで書くのがよいでしょう。
清書をする
生徒それぞれの文集の内容を確認したら、清書をしていきます。しっかり1行ずつ読み返しながら丁寧に綺麗な字で書いていきましょう。
大事なことは事前の確認です。清書後に重大な間違いがあると修正するのが非常に大変になってしまいますので、清書前に必ず生徒全員分の卒業文集を見直しましょう。
なお、できるだけ生徒自身に責任を持ってもらうために、漢字の間違いや汚い字は書き直しになる旨をあらかじめ生徒に伝えておくとよいでしょう。書き直しが少なければ先生側の負担も減ります。気になる子は途中でも都度見せに来るように言っておくとよいです。
卒業文集の表紙も工夫を
卒業文集の表紙についても、せっかくなら思い出に残ったり、他のクラスの生徒にもアッと驚かれるような物を作りたいですよね。どんなものにするにしても、やはりそのクラスらしさが伝わって、将来表紙を見ただけで楽しかった出来事が目に浮かぶものが良いです。
紹介しておきたいのはクラス全員と先生の写真です。ひと目でどんな人がいたのかわかりますし、比較的簡単に作ることができます。他には生徒や先生の似顔絵や、思い出の出来事の絵や写真等もよいでしょう。
卒業文集を作成する上での担任の先生が苦労するポイント
担任の先生が卒業文集を作成する時に苦労する点を3つ説明していきます。
1つめは生徒をやる気にさせる事です。
大人になってみると卒業文集は昔を懐かしく思い出せるとても大切なものですが、生徒自身は実感が湧きません。人によっては「めんどくさい」「作っても見ない」と思う生徒もいるかもしれません。しっかりと動機づけをしてあげましょう。
2つ目は期限を守らせることです。
多くの場合卒業文集は業者に冊子の印刷を依頼しますが、完成品を卒業式までに作るまでには入稿や構成等様々な期限があります。子どもだけでは守れない場合もありますので、遅れないようにしっかりとフォローしましょう。
3つ目は内容の確認の大変さです。
特に、最近の子どもは文章を手で書く習慣が無いので、一人で書けない場合も多いです。構成を一緒に考え、書いた原稿の修正点を伝えて・・・を何十人に対して行うのはとても手間と時間がかかるものです。大変な作業ですが、子どもたちが後々見返すものですからやりがいを感じながら大切に作っていきましょう。
卒業文集でご注文の多いサイズ
卒業文集のサイズは、A4サイズでのご注文が多くなっています。また、A4サイズよりひと回り小さいB5サイズもおすすめです。
作りたい文集のテーマや内容に添ったベストなサイズを選びましょう。
おすすめの製本方法
文集の製本には、無線綴じがおすすめです。
掲載する原稿の量にもよりますが、文集は記念誌の特性上、本文が数十ページにおよぶことも多いです。無線綴じは、100ページを超える場合も問題なく製本でき、丈夫な冊子に仕上がります。
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逆に、ページ数が20〜30ページ程度であれば、中綴じを選択するとよいでしょう。
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本文ページを重ねて糊で綴じ、表紙をかぶせて付けます。背表紙ができ、多くのページ数にも対応できます。
見開きページを二つ折りして中央をホッチキス(針金)で綴じます。背表紙はできず、少ないページ数から対応できます。
卒業文集によく使われる用紙
表紙の用紙
卒業文集の表紙には、重量感や高級感のある厚手の用紙が向いています。
表紙にはカラー印刷に対応した「コート紙」がおすすめです。
ツヤツヤとした光沢のある用紙です。カラー印刷や写真もきれいに再現できるためおすすめです。コート系の用紙には、コート紙の他にも、ツヤ消しのマットコート紙などたくさんの種類があります。
その他では、表面に特殊な加工が施されている色付きの用紙「レザック」や、色付きの用紙である「色上質紙」なども人気です。
プリントモールでは、サイトに掲載のない用紙をご希望の場合もお見積りいたします。
また、会員登録いただいたお客様には無料で取り扱い用紙サンプルをお送りしています。
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本文の用紙
卒業文集の本文用紙には、文字が読みやすくて、ページがめくりやすい上質紙がおすすめです。
上質紙は、書籍や書類など文字中心の印刷物で幅広く使われていて、文集にも最適です。
丈夫で破れにくくコシがあり、筆記性もよいので、寄せ書きページを入れる場合も便利です。鉛筆や水性ペンで書きこむことができます。
印刷されたページは、質感が感じられ、素朴ながらも上品で、落ち着いた雰囲気の印刷物に仕上がるのが特徴です。
比較的低価格な用紙なので、リーズナブルに冊子を作ることができます。
また、写真やイラストを多く掲載したい場合は、上質紙よりも画像が鮮やかに再現されるマットコート紙もおすすめです。
手書き原稿をお考えの場合
文集によく入れられるページとして、写真やイラストをのりづけして貼り付けてある「切り貼り原稿」や手書きの原稿も人気があります。
ただしこれらの原稿は、そのままでは印刷できません。印刷会社に入稿された場合は、スキャニング後にデータ変換する必要があり、基本的には料金も割高になります。
切り貼り原稿や手書き原稿をデータ化するには、コンビニなどのコピー複合機を活用するのがおすすめです。
複合機のスキャン機能を利用し、予めjpgなどの画像データにしてから入稿するとよいでしょう。
料金も抑えられ、原稿を郵送する必要もありません。
どうしてもご自身でのスキャニングが難しい場合は、印刷会社にご相談ください。
ネット印刷プリントモールでは、スキャニングサービスにも対応しております。
文集の背表紙に文字を入れられます
本文のページ数が多い卒業文集を無線綴じで作成する場合は、背表紙にタイトルや学校名などの文字を入れることができます。
背表紙データを作る際には、背表紙の幅を算出する必要がありますが、自動で計算できるツールを使うと簡単に算出できるので活用するとよいでしょう。
ネット印刷プリントモールでは、表紙データの作り方についても詳しく紹介しています。こちらも参考にするとよいでしょう。
>>背表紙ができる冊子(無線綴じ)の表紙データの作り方を解説
まとめ
卒業文集は一生の思い出になるもので、大人になって読み返すととても懐かしく日々を振り返ることができます。生徒にとって最高の学校生活となる最後の成果物なので、納得度の高いものを作成していきましょう。
また、仕上がりの良いものにするにはサイズや用紙の種類、冊子の種類等に気を配ることも大切です。
プリントモールでは、そんな方のために、仕様のご相談からデータの作り方、入稿スケジュールに関する事など、何でもご相談を承ります。お気軽にお問い合わせください。
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