天綴じ(上綴じ)冊子の印刷注文・入稿のポイント

天綴じ(上綴じ)冊子の印刷注文・入稿のポイント

身の回りにあるカレンダーや伝票など上の部分が綴じられた印刷物を目にしたことはありませんか。
これらの印刷物は、製本方法では「天綴じ」の冊子となります。
ここでは、そんな天綴じの特徴や、データ作成時のポイントについて紹介します。

天綴じ(上綴じ)とは?

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「天綴じ」とは、冊子の上側を綴じ、ページを上に開いて読んでいけるようにした綴じ方です。「天」とは、印刷物(紙面)の内容に対して上側を指す印刷用語です。

上側を綴じる方法なので「上綴じ」、「上開き」とも呼ばれています。

カレンダーや伝票などの他にもプレゼンテーション用資料などに多く使われています。

天綴じ(上綴じ)と右綴じ・左綴じ

冊子の綴じ方向には、「天綴じ(上綴じ)」の他にも、右側を綴じる「右綴じ」と左側を綴じる「左綴じ」の形式があります。
基本的に、本文が縦書きの場合は右綴じ、横書きの場合は左綴じを選びましょう。

印刷物の「天地」も理解しておこう

天綴じ_2
冊子印刷の場で使われる「天地」とは、上側・下側を表す印刷用語です。紙面を正面にして、上を「」、下を「」と呼びます。

その他の用語に、
小口:見開きの両端
ノド:見開きの中央部分
などがあります。

これらの用語は印刷会社とのやりとりのときに覚えておくと便利です。

天糊、天巻き糊との違い

冊子印刷では、天側を綴じるのを天綴じ(上綴じ)と呼ぶのが一般的ですが、伝票製本の場合は、天側を針金で綴じる場合を「天綴じ」と呼び、天側を「糊」で綴じる場合は「天糊」と呼びます。
また、「天巻き糊」と呼ばれる綴じ方もあります。それぞれの意味と違いを説明します。

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天綴じ伝票:天側を針金で綴じます。
天糊伝票:天側を糊で綴じます。表紙と裏表紙は付かず、伝票のみを綴じたタイプです。
天巻き糊伝票:天糊の伝票に表紙と裏表紙が付くタイプです

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天綴じでよく使われる冊子の種類

天綴じ冊子は一般的にカレンダーや伝票によく使用されています。他にも開きやすさや、上から下に開ける特性を活かし、ダイナミックに表現したいフォトブックや作品集などでの使用もおすすめです。

【天綴じにおすすめの冊子の例】
・カレンダー
・伝票
・フォトブック
・写真集
・イラスト集
・作品集
・報告書
・プレゼンテーション用資料

天綴じはページ数が少ない冊子に向いている

天綴じの製本方法は、ページ数の少ない冊子に適しています。
特に、大きく開いて見せたいカレンダーやセミナー資料は、中綴じ製本にして、さらに天綴じにすると便利で使いやすくなります。

中綴じ製本は、本文の真ん中を折ってホッチキスで綴じるので、冊子の開きがよくきれいに仕上がります。中綴じで天綴じを行う場合は、用紙の厚みにもよりますが、100ページ以内に収まるようにしましょう。

天綴じ冊子の入稿データの作り方

ここでは、ネット印刷で天綴じ冊子をご注文いただく場合の入稿データの作成について紹介します。
横書きの文章で、長辺側を綴じる天綴じ冊子を作る場合を例に説明します。

手順1. まず、仕上がり状態で横長でページを設定し、データを作成します。
横書きの文章の場合は、左綴じで入稿データを作ります。左綴じは左から右へページが進む形式です。
データ作成ソフトの文書サイズは横型で設定します。
全てのページを同じサイズ・同じ向きでデザインします。

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手順2.デザインができ上がったら、入稿用PDFを書き出します。
入稿用PDFの書き出し方法は、以下を参考にしてください。
>> Illustrator PDF変換手順
>> Indesign PDF変換手順
>> Photoshop PDF変換手順
>> Office PDF変換手順

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手順3.手順2で書き出した入稿用PDFの全てのページをAcrobat上で左に90度回転させます。

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PDFの回転方法

入稿用PDFファイルの回転には、「Acrobat XI / DC」を使用します。「Adobe Reader」では回転させることができないので注意してください。

回転させると入稿用PDFは縦型になり、左ページは小口が天、ノドが地。右ページはノドが天、小口が地になります。見開きで左から右へと読むことができるのを確認してください。

回転方法の詳細な手順は、以下のサイトを参考にしてください。
>> PDF ファイルを回転する方法 (Acrobat XI/DC)

また、どうしても回転が難しい場合は、印刷会社に入稿する際に、その旨とどの方向に何度回転したいかを相談しましょう。

天綴じ冊子を注文してみよう

プリントモールで天綴じ冊子を注文する場合の流れをご紹介します。

手順1.ご注文画面では天綴じ(上綴じ)という選択肢はありません。「左綴じ」をお選びください。「入稿データの作り方」で説明したとおりに、左から右へページが進んでいく左綴じの形式でデータを作ります。

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手順2.データを「縦向き」に回転させて各ページを書き出した入稿用PDFを入稿します。

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手順3.その際に、裏表紙の向きのパターンを指示します。
注文時の備考欄に、「裏表紙の向きのパターン(A or B)」を記載してください。

裏表紙の向きのパターン
・Aパターン:表紙・裏表紙ともに綴じ側が「天」
・Bパターン:裏表紙の綴じ側が「地」
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表紙と裏表紙の指示は必ず行おう

前述の手順3でも説明しましたが、表紙(表1)と裏表紙(表4)の向きを印刷側にわかるように示すことが重要です。

どの向きで付くのかを注文時に忘れずに指示してください。

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まとめ

カレンダーや伝票などで身近な天綴じ(上綴じ)冊子ですが、他にもプレゼンやセミナーの資料、フォトトブック、作品集など様々な冊子に応用できる綴じ方です。
この天綴じの方法を使ってオリジナルな冊子作りに挑戦してみるのもおすすめです。

天綴じで印刷注文する場合は、紙面データの向きや入稿方法に注意して、入稿後のトラブルを未然に防ぐことも大切です。
注文前にしっかりと確認するとよいでしょう。

冊子製本お役立ちコラム編集部

冊子の印刷製本を考えている方に、知っておきたい知識やお得な情報をお届けしています。はじめての方にもわかりやすく丁寧な記事を心がけています。 日々、お客様からのお問い合わせと注文対応に追われながら学ばせていただいています。

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