冊子の綴じ方、製本の種類とは?
この記事では、初めて冊子を作り、製本することをお考えの方に、冊子の綴じ方と製本の種類について説明しています。
製本に関する基礎知識や便利な情報をご案内し、原稿を作る際に役立てていただくことを目的としています。
製本とは
製本とは、複数枚の印刷物を重ね合わせ、糸や針金などによって接合し、表紙を付けて、本の形にしたもののことです。
書籍のように、複数枚の印刷ページをまとめたものに限らず、資料やプリントなどを金具やヒモでまとめたものも製本です。
製本方法には、並製本と上製本、リング製本などの種類があり、綴(と)じ方の違いによって特徴や向いている用途も異なります。
並製本(ソフトカバー)
「並製本」は、表紙に芯が入らない「ソフトカバー」とも呼ばれる製本方法です。
表紙には本文よりやや厚みのある紙か、本文と同じ紙が用いられます。「ソフトカバー」と言われるとおり、表紙も手で容易に折り曲げることができます。
本文と表紙を一緒にくるんで一度に仕上げるため、本文と表紙が同じ大きさになるのが特徴です。
後に紹介する「上製本」と比べると、作りが簡易な分、コストを抑えられるのが大きな魅力です。
パンフレットやカタログ、雑誌などによく使われており、私たちが普段目にする機会の多い製本方法といえます。
並製本は背の綴じ方によって「中綴じ」「無線綴じ」「平綴じ」などの種類があります。
中綴じ
「中綴じ」は、冊子の中央部分に針金を通して綴じる製本方法です。「針金綴じ」ともいわれます。
中綴じ冊子は、ホッチキスで綴じているため、ページが開きやすく、少ないページ数から綴じることができます。逆に、構造上、130ページを超えるようなページ数の多い冊子には向いていません。
フリーペーパーや週刊誌、小冊子などによく利用され、コストが抑えられる点が魅力です。
当店では、表紙・本文を合わせた総ページ数で8~128ページ(4ページ単位)までご注文いただけます。
ページ数は8ページから、12ページ、16ページ、と4ページずつ増えていきます。
無線綴じ
「無線綴じ」は、本文用紙を1枚ずつページの順番に並べて、背になる部分に糊(接着剤)をつけて綴じる製本方法です。
ページ数が多い冊子に向いていて、数百ページの冊子にも対応できます。
背表紙のある本では最も一般的に使用されているのがこの「無線綴じ」です。
当店では、表紙・本文を合わせた総ページ数で36~508ページ(本文8ページ単位)までご注文いただけます(※508ページ以上をご希望の場合もご相談ください)。
また、背表紙ができる構造なので書棚に立てて並べやすく、丈夫で長期保存に適しています。
書店や図書館などの書棚に並んでいる書籍や文庫、新書、ページの多い雑誌、カタログなどによく使われています。
PUR(ピーユーアール)製本
「PUR製本」は、無線綴じの中でも【ポリウレタンリアクティブ(PUR)】という特殊な接着剤を使用して背を固める綴じ方です。
通常の無線綴じより、ページが開きやすい、ページ開閉の耐久性が高い、高温に強い、リサイクル性が高いという特徴があります。
通常の無線綴じでは、糊の接着部分の影響で、ノド元までしっかりと開くことができないという難点がありました。PUR製本であればこれまでの無線綴じに比べて、糊部分まで開きやすくなっているので、見開きの写真や、ページ数の多い冊子であっても見やすくなります。
また、当店プリントモールでは、独自の専用糊を使用することで「PUR製本」より価格を抑えた「新PUR製本」冊子も販売しています。
「新PUR製本」は、冊子を開きっぱなしにしても閉じにくく、書き込みやコピーの際にも便利です。
テキスト教材やマニュアル、レシピ本など、冊子を開いた状態で作業を行いたいような場合にはぜひご活用ください。
平綴じ
「平綴じ」は、重ねた刷り本の表紙側から裏表紙側に向けて針金や糸で綴じる方法です。
通常、冊子の背から5mm程度の位置を2~3か所綴じます。さらに冊子の背に糊を付け表紙を貼り付ける場合もあります。針金を用いることが多いので、ホッチキス留めといわれることもありますが、針金ではなく糸を用いた場合でも平綴じという場合があります。
比較的ページ数の多い冊子にも対応できます。丈夫で比較的簡単に仕上げることができますが、綴じ位置の関係上、本のノドいっぱいまでページを開くことはできなくなります。
そのほかの製本
上製本(ハードカバー)
「上製本」は「ハードカバー」ともいわれる冊子の製本方法です。
ボール紙と呼ばれる厚紙を芯に作られた厚み1mm以上の表紙を用い、本文ページをくるんで仕上げます。
表紙は、大人でも簡単には折り曲げられないほどの強度を持ち、保管性が高いのが特徴ですが、一般的に並製本(ソフトカバー)に比べると費用がかかります。
また書籍の装丁用材料の一つでもあり、製本された書籍の表紙を補強するために、織物を基調とした生地に染色加工を施し、薄紙で裏打ちしたものを指すこともあります。布クロスで装丁した後には、箔押し加工等を行うこともできます。
しっかりとした表紙と保管性の高さから、高級感や格式高い冊子に向いており、専門書や文芸書等の表紙、小説の単行本、卒業アルバムなどによく使われます。
リング製本
「リング製本」は、リングパーツに用紙を通して冊子に仕上げる製本方法です。製本したい紙面の背になる部分に穴を開け、ワイヤーリングなどを通して綴じます。
リングパーツには、金属のワイヤー素材だけでなく、プラスチック製や紙製のものも使われます。
「リング製本」された冊子は、ページを360°開くことができ、開いたページが閉じないため、手で押さえておく必要がありません。ページを開ききった状態のままでも書き込みできるのが特徴です。
裏側に折りたたんで半分の大きさで見ることもでき、狭いスペースでも使用しやすいというメリットがあります。
ただし、こちらも並製本(ソフトカバー)に比べると費用がかかります。
よく使われる冊子には、リングノート、リングメモ、カレンダー、スケッチブックなどがあります。
まとめ
この記事では、製本の種類や綴じ方の違いについて、説明しました。
費用を抑えたい場合は、ソフトカバーの並製本で冊子をお作りいただくのがおすすめです。
冊子の製本方法には様々な種類があるため、それぞれの特徴に合わせてお選びいただくとよいでしょう。
迷われたときは印刷会社へお問い合わせを行うのが一番の近道です。
ご不明な点があれば、いつでもネット印刷プリントモールにご相談ください。お電話でご相談の場合も、スタッフが親切丁寧にご案内いたします。
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