【製本方法の選び方】無線綴じ・中綴じ冊子の違いとは?実例も紹介
冊子やパンフレットなどを作成する際、代表的な製本方法として無線綴じと中綴じの2種類があります。
無線綴じは主にページ数が多い場合に利用する綴じ方で、中綴じよりもコストがかかる分、背表紙を付けた高級感のある仕上がりにできる製本方法です。
一方、中綴じはページ数が少ない冊子に適した綴じ方で、製本にかかる工程が少ないためコストを抑えて、見開きで読みやすい仕上がりの製本方法となっています。
この記事では、無線綴じ・中綴じの違いを踏まえた選び方や、パンフレットやカタログといった実際の冊子の種類の仕様などをご紹介します。
無線綴じと中綴じの違い
冊子の製本方法には、主に「無線綴じ」と「中綴じ」の2つがあります。
無線綴じは、ページを重ねて糊で接着し、高級感のある仕上がりが特徴です。
中綴じは、ホチキスや針金を使用して紙を2つ折りにし、綴じる方法です。ページの開きやすさが特徴で、ノド(根本)までしっかりと開くため、見開きでのレイアウトも容易です。
プリントモールでは、無線綴じ冊子は1部あたり59.56円〜、中綴じ冊子は1部あたり16.25円〜注文できます。無線綴じの方が中綴じよりも制作工程が多いため、コストが掛かりますが、その分長持ちしやすい、しっかりとしたつくりになります。
【製本の選び方】無線綴じ・中綴じ、どちらが良い?
無線綴じ・中綴じのメリット・デメリット比較
無線綴じ・中綴じのメリット・デメリットは、それぞれ次のようになっています。
無線綴じでは、仕上がりが丈夫で高級感もあるため長期保存に向くということ、背表紙があるため本棚に置いたときに見つけやすいこと、ページ数が多くても製本できることがメリットです。
一方で、デメリットとして、ページ数の少ない冊子(36ページ以下)は綴じられないこと、見開きデザインには向かないこと、中綴じよりはややコストが高いことが挙げられます。
中綴じのメリットは、少ないページ数の冊子も製本できること、見開きで見られるため、レイアウトの自由度が高いこと、低コストで製本できることが挙げられます。
しかし、ページ数の多い冊子(128ページを超える場合)は作成できないことや、4の倍数のページ数で作成しなければならないこと、厚い紙ではズレが生じることがあることがデメリットとしてあります。
ページ数が多く、本の形で長期保存したい場合は無線綴じ
無線綴じは背表紙のある本格的な仕上がりが特徴です。こちらの製本方法は、高級感を求める場合に最適で、厚みのある本やカタログの作成に適しています。背表紙があるため、長期保存にも向いています。
無線綴じは主にしっかりとした製本が必要なときに活用されます。また、背表紙があることで整理しやすく、長く使用したい資料や本の作成に最適です。
見開きで読みやすく、雑誌のようなものを目指すなら中綴じ
中綴じはページの開きやすさが際立つ製本方法です。ノド(根本)までしっかりと開くため、見開きでのレイアウトが可能です。
この特性から、大きな地図や写真を見開きで掲載する際に最適です。また、パンフレットや説明書など、ページ数が少ない冊子の製本に最も適しています。
ただ、中綴じはページ数を4の倍数にする必要があります。もし、ページ数が多く、中綴じ以外で開きやすさにこだわりたい場合には、PUR製本がおすすめです。
無線綴じ・中綴じで実際に作られる冊子の種類
無線綴じ・中綴じで実際に作られる冊子の例をご紹介します。
カタログや教科書などページ数が多い冊子には無線綴じ
無線綴じの使用例としては、以下が挙げられます。
無線綴じは、ページ数が多い冊子に適しており、カタログや学術誌・論文、教科書や問題集などの分厚い冊子のご注文が多くなっています。背表紙ができるため本棚に保管した際に目当ての本をすぐに見つけやすいというメリットを生かし、タイトルが必要な小説や作品集などにも利用されています。
分厚い本を低価格で印刷し、しっかりと保管したい場合に向いているため、卒業文集やアルバムといった用途にも最適です。
>>無線綴じとは?中綴じとの違いやメリット・デメリット、入稿時の注意点を紹介
>>無線綴じ製本のお見積り・ご注文はこちら
パンフレット・雑誌などページ数が少ない冊子には中綴じ
中綴じの使用例としては、以下が挙げられます。
- プログラム
- 社内報
- パンフレット
- 会社案内
- 企画書
- ページ数が少ない雑誌やフリーペーパー など
中綴じは、背表紙が無くページ数が少ない冊子によく使われる製本方法です。用紙を重ねて二つ折りにし、折った中央部分をホッチキス(針金)で綴じて製本します。
比較的簡単な構造で、自作する場合も使用する道具が少ないため、とても手頃な製本方法です。初めて冊子を作る方にもおすすめです。
冊子を作る際に注意したいポイント5つ
冊子を作る際は、次の5点に注意しましょう。
冊子のサイズは既製品を参考に
右綴じか左綴じかを決める
縦書きの場合は「右綴じ」、横書きの場合は「左綴じ」となります。どちらにするかを決めておきましょう。
無線綴じは余白とページ数に注意する
無線綴じは、ページ数が少ない(厚みが薄い)冊子には対応できません。ある程度厚み(ページ数)がないと、製本の際に必要な糊を付ける部分がないためです。
プリントモールでは、本文32ページ(表紙4ページを含む総ページ数は36ページ)から対応しています。
また、ノド(綴じ部分)がしっかり固定される分だけ、冊子が平らに開きづらく、
綴じている側(ノド)付近の絵柄は見えづらくなります。
中綴じはページ配置(面付け)に注意する
中綴じは、4ページ単位の製本が基本です。 中綴じ製本で冊子を制作する際には「面付け」が必要になります。
面付けとは中綴じ製本が用紙を二つ折りにして中心部分を針金で綴る製本方法であることから、製本した後のページを想定してページの順番を原稿に配置することです。
最初のページと最後のページが同じ用紙に記入され、はじめのページからと最後のページから徐々に数字が真ん中の数字に向かって変化していきます。
例えば、上の図のように12ページ冊子の場合、1ページ目の隣は2ページ目ではなく、本文最後の10ページが配置されます。次に重なる用紙の裏面に2ページ目と9ページ目がくるよう、表面とは左右を逆にして配置し、表面には3ページ目と本文最後から3ページ前にあたる8ページ目が隣り合わせになるよう交互に配置します。
>>よくわかる中綴じページ数の数え方・面付け・無線綴じとの違い
また、真ん中のページ以外では、見開き中央(ノド)をまたぐような写真や絵は、他のページの厚み分だけ、ズレが生じてしまうため注意が必要です。
文字に関しても読みづらくなってしまう可能性があるため、ノドをまたぐ文字のレイアウトはできるだけ避けましょう。
プリントモールでは、印刷を依頼する場合は1ページずつ入稿していただければ、面付けに対応しています。このほか、お困りごとなどお気軽にご相談ください。
用紙の種類は適したものを選ぶ
内容や用途に合わせて適切な用紙を選べば、冊子の与える印象は大きく変わります。しっかりとした厚みのある紙や、ページをめくりやすい薄い紙、ツヤ(光沢)のある紙など、用紙にはさまざまな種類があります。
プリントモールでは、無線綴じでは7種類(本文用紙)、中綴じでは5種類(表紙・本文用紙)からお選びいただけます。
また、同じ種類の用紙であっても、紙の厚さ(kg)によっても印象や使用感が異なります。無線綴じの場合は、表紙にグロスPP加工やマットPP加工をすることも可能です。目指したい仕上がりに合わせた紙の厚みやツヤ、質を選んでみてください。
まとめ
この記事では、無線綴じ・中綴じの冊子の違いについて解説してきました。
無線綴じは背表紙があるため、高級感があり長期保存にも向いています。収納もしやすいですが、中綴じよりも納期・コストがかかる点に注意が必要です。しっかりとした本の形で長く残したいときにおすすめです。
一方、中綴じはページ数が少なくても使える手軽さと開きやすさが魅力で、多彩なレイアウトが可能です。納期が比較的早く、コストも無線綴じより掛からないのもメリットで、手軽に読みやすい、雑誌のようなものを目指すなら中綴じがおすすめです。
最適な製本方法を選ぶことで、資料や冊子の魅力を最大限に引き出し、読者にとって魅力的な情報媒体となります。中綴じと無線綴じを使いこなし、効果的な印刷物を作成しましょう。
製本について迷った際にはお気軽にご相談ください。