同人誌を作るにあたって迷いがち!サイズや製本方法、綴じ方向はどれがいいの?
同人誌を買う側、読む側だった時は、同人誌のサイズに特に意識を向けていなかったかもしれません。
しかし、同人誌を作る側になると、どのサイズや製本方法、綴じ方向が最適なのか悩んでしまうこともあるでしょう。
この記事では、同人誌を作るにあたって迷いがちな、サイズや製本方法、綴じ方向の選び方について解説します。
同人誌のサイズ選びの指針
適したサイズを選ぶ際に、作りたい同人誌の内容によって最適なサイズが異なります。
例えば、漫画やイラスト、小説、アンソロジーなどによっても異なってきます。
まずは自分が作りたい同人誌の内容をイメージし、それに合った最適なサイズを選ぶことが大切です。
市販の用紙サイズに合わせる
王道の同人誌サイズはB5サイズ(182mm×257mm) または A5サイズ(148mm×210mm) です。
B5サイズは週刊少年誌などのコミック雑誌と同じ大きさで、A5サイズは4コマ漫画のコミックスなどで採用されている大きさです。
B5サイズやA5サイズ以外では、以下のサイズの同人誌をたまに見かけます。
サイズが大きいものから順に挙げると、よく見かけるサイズは以下のようになります。
《 ↑ サイズが大きい》
A4サイズ (210mm×297mm:ビジネス文書での標準サイズ) … イラスト本
B5サイズ (182mm×257mm:一般的なノートとほぼ同じサイズ) … 漫画本・イラスト本
A5サイズ (182mm×257mm:A4サイズの半分の大きさ) … 漫画本・イラスト本
B6サイズ (128mm×182mm:B5サイズの半分の大きさ) … 小説本
A6サイズ (105mm×148mm:文庫本とほぼ同じ大きさ) … 小説本
《 ↓ サイズが小さい》
印刷会社の規定を確認する
同人誌のサイズ選びにおいて、印刷会社の規定を確認することは重要です。
印刷会社によって扱えるサイズや用紙の種類に違いがあるため、自分が希望するサイズや用紙を使えるかどうかを事前に確認しておくことが必要です。また、印刷会社の規定に合わせてデータを作成することで、印刷の際にトラブルが生じるリスクを減らすことができます。
同人誌を作成する前に、印刷会社の規定を確認して、適切なサイズや用紙を選ぶようにするとよいでしょう。
自分が好きなサイズを選ぶ
イラスト集や写真集などの視覚的な作品は大き目のサイズが良いかもしれませんし、小説などの文章を中心に構成された作品は文庫本サイズや小冊子サイズが適しているかもしれません。
同人誌のサイズは、自分が作りたい内容に合わせて選ぶこともできます。
ただし、自分が好きなサイズを選ぶ際には、そのサイズで印刷会社が扱っているかどうかを確認する必要があります。その上で、自分が作りたい作品に合ったサイズを選び、オリジナリティあふれる同人誌を作り上げましょう。
同人誌の製本方法の種類
同人誌の製本方法は、大きく分けると無線綴じと中綴じの2つがあります。どちらか一方を選ぶときは、「ページ数」「保管性と手軽さ」の指針が参考になります。
・ページ数が多いときは無線綴じ、少ないときは中綴じが適していることが多い。
・保管性を重視したいときは無線綴じ、手軽さを重視したいときは中綴じが適していることが多い。
印刷会社で綴じる方法
印刷会社での同人誌の製本方法は、大きく分けて無線綴じと中綴じの2つがあります。
無線綴じとは、印刷された本文を表紙でくるんで背表紙部分に接着糊を付けて綴じる冊子の製本方法です。
本文の背を糊で固めて表紙を接着するため、糸や針金で綴じるような「線」が出ないことから「無線」綴じと名付けられました。本文を表紙でくるんで製本することから「くるみ製本」とも呼ばれます。
本文の厚みの分だけ背表紙ができるのが特徴で、テキスト冊子やカタログなど、一般的に本文32ページ以上の冊子に使用されます。小説や、ページ数が多く厚めの漫画本、イラスト本に適しています。
一方、中綴じは、無線綴じとは異なり、針金やホッチキスを使って綴じる製本方法です。
紙を2つ折りにして真ん中を針金などで綴じるため、ページ数の少ない冊子によく用いられています。中綴じ冊子は構造上、ページ数は4の倍数となります。
本の根元まで開くことができるため、見開きでも見やすいという特徴があります。最小8ページから製本できるため、ページ数が少なく薄い漫画本やイラスト本、小冊子などによく利用されます。
綴じ方向の選び方
右綴じと左綴じの選び方は、本文が縦書きか横書きかで決めることが一般的です。縦書きの場合は右綴じ、横書きの場合は左綴じが一般的に採用されます。
右綴じか左綴じかを選ぶ際には、本の形態や読みやすさを考慮し、適した綴じ方を選ぶことが重要です。
なお、同人誌のほとんどが右綴じで製本されています。一部の同人誌で、文字や全体の流れが横書きの場合に左綴じとなる場合があります。
右綴じ
右綴じは、本の表紙を上にした際に、本の綴じている側が右側に来るものであり、左綴じは表紙を上にした際に本の綴じている側が左側に来るものです。
本文が縦書きである場合、右綴じを選ぶことで読みやすく、また、綴じ目が本文の右側にくるため、開いたときに左側のページが見やすくなります。
漫画本やイラスト本、小説本など、多くの同人誌が右綴じとなっています。
左綴じ
本文が横書きである場合、左綴じを選ぶことで読みやすく、また、綴じ目が本文の左側に来るため、開いたときに右側のページが見やすくなります。
一部の横書きの漫画本や、一部のゲーム・アニメの横書きのイラスト集や小説の場合、海外の小説を原作とする同人誌などは左綴じで製本されることがあります。
同人誌のサイズや製本、綴じ方向による仕上がりの違い
同人誌のサイズや製本方法、綴じ方向の違いによって、どのように仕上がりが違ってくるでしょうか。ここでは、具体的にどう違うのかを紹介します。
サイズによる見た目の違い
同人誌のサイズによって見た目に大きな違いが現れます。
一般的な同人誌のサイズはB5サイズで、縦長の横書きのレイアウトが多いですが、A5サイズやA4サイズ、四六判などのサイズもあります。
・小型サイズ … ◎ 持ち運びやすい ▲文字が小さくなって読みづらい
・大型サイズ … ◎ 表現力が高まる ▲持ち運びに不便で収納しづらい
B5サイズやA5サイズなどの小型サイズは持ち運びやすく、手軽に読みやすいというメリットがあります。一方で、ページ数が多い同人誌を小型サイズで出すと、文字が小さくなって読みづらくなる場合があります。
A4判や四六判などの大型サイズは、レイアウトを広くとることができ、イラストや写真の表現力が高まるというメリットがあります。ただし、持ち運びには不便で、収納場所を確保する必要があります。
製本方法による仕上りの違い
無線綴じと中綴じは、製本方法による仕上りの違いがあります。
無線綴じは、本文を表紙でくるんで製本するため、背表紙ができます。
無線綴じの表紙データを作る場合は、背表紙の幅(背幅)を考慮する必要があります。
背幅が極端に狭い場合はレイアウトをするスペースがほとんど無くなりますので、3mm以下になるような場合は、背表紙に文字を入れないようにするとよいでしょう。
一方、中綴じは、紙を2つ折りにして綴じるため、背表紙がなく、表紙に印刷したイラストやタイトルなどを全面に配置することができます。
背表紙がないため、本の厚さに合わせて表紙のデザインを調整する必要はありません。
無線綴じと中綴じは、仕上がりの見た目や扱い方が異なるため、用途によって使い分けることが重要です。無線綴じはページ数が多めの冊子に適しており、中綴じはページ数が少なめの冊子に適しています。
綴じ方向による読みやすさの違い
右綴じと左綴じによる読みやすさの違いについては、主にページの開きやすさに影響があります。右綴じの場合は左側のページが広がり、左綴じの場合は右側のページが広がります。
一般的に縦書きの本は右綴じが一般的で、左側のページが広がるために、ページをめくるときに右手が隠れるため、右利きにとっては使いやすいとされています。また、読み進める際にページの右端に目が移動するため、目が疲れにくいという利点もあります。
一方、横書きの本は左綴じが一般的で、右側のページが広がるため、左利きにとっては使いやすいとされています。また、見開きの場合に左右のページを同時に見ることができるため、より自然な読書体験ができるという利点もあります。
しかし、これらの規則は必ずしも守られているわけではなく、作品やデザインの目的に応じて逆の綴じ方向を採用する場合もあります。
まとめ
いかがでしたか?
同人誌を作る際には、サイズ選びや製本方法、綴じ方向などが大切です。
サイズ選びには、市販の用紙サイズや印刷会社の規定を確認することや、自分が好きなサイズを選ぶことが重要です。また、製本方法には無線綴じや中綴じがあります。綴じ方向に関しては、右綴じや左綴じがありますが、読みやすさを考慮した選択が必要です。
同人誌作成において、これらのポイントを踏まえて最適なサイズや製本方法、綴じ方向を選ぶことが重要です。迷ったときは、ポイントを参考にして自分に合った選択をしましょう。
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