Wordを使った冊子の作り方!印刷用データの設定方法を解説

文書作成ソフト、Word(ワード)で印刷したい冊子を余白などのページ設定をしておくと、きれいに製本しやすくなります。

この記事では、Wordのデータを冊子にするときの印刷用データの設定方法と注意点を解説します。

特に家庭用のプリンターはA4サイズが多いことから、A5サイズ仕上がり冊子をA4用紙へ両面で印刷する設定を例にとって説明します

※Windows10の場合を例に紹介しています。

冊子を作成しやすい綴じ方(製本方法)とは?

Wordで冊子を手作りする場合には、無線綴じか中綴じがおすすめです。

無線綴じとは、印刷された本文を表紙でくるみ、背表紙部分に接着糊を付けて綴じる冊子の製本方法です。

ページ数が多い場合、本として長く使用したい場合に用いられます。

一方、中綴じとは、ページの見開き中央部分(折り目部分)を針金(ホッチキス)や糸を通して固定する製本方法です。

製本方法について詳しくはこちらの「冊子の綴じ方、製本の種類とは?」で解説していますので、ご覧ください。

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ページサイズの設定

まずは、以下を参考にして作りたい冊子のサイズを決めます。

A4サイズ(210×297㎜)
一般的なコピー用紙のサイズです。カタログやパンフレットなどによく使用されます。
B5(182×257㎜)
A4より一回り小さいサイズです。こちらもA4と同様によく使われています。雑誌やノートなどによく使用されます。
A5(148×210㎜)
A4の2分の1のサイズで、同人誌やハンドブック、文芸誌などに使用されます。

サイズを決めたら、Wordの「ページレイアウト」⇒「サイズ」で、ページサイズを選びます(デフォルトではA4に設定されています)。

なお、余白などを設定しなくてもそのまま使えるWordのテンプレートを用意しておりますので、ぜひご活用ください。
>>テンプレートダウンロード

テンプレートの使い方については、こちらで解説しています。

>>Wordのテンプレートを使って、誰でも簡単に印刷物を作る方法(ワード)

サイズ設定時の注意点 「塗り足し」について

サイズ設定の際には「塗り足し」に注意します。

まずは、ページデザインに合わせて塗り足しが必要かを確認します。

紙の端まで画像やデザインがある場合 ⇒塗り足しが必要
・紙の端に印刷するデザインがない場合 ⇒塗り足しが不要

なお、塗り足しについては以下の記事でも詳しく解説しています。
>>塗り足しって?印刷で足りないと困る!作り方を解説

次に、塗り足しが必要な場合は、既定の用紙サイズから変更します。
※塗り足しは天地左右に各3㎜ずつ設けるのが一般的です。

【塗り足しを付けたサイズの設定方法】
ここではA4サイズに塗り足しを設定する場合を例に紹介します。

  1. Wordの「ページレイアウト」から「サイズ」⇒「その他の用紙サイズ」を選びます。
  2. A4(幅210×高さ297㎜)に天地左右3㎜をプラスしたサイズに変更します。「幅216㎜、高さ303㎜」と入力⇒「規定に設定」⇒「OK」をクリック

余白設定

冊子をページ設計する際には、ページ内の余白にも注意する必要があります。

冊子の構造上、ページ内いっぱいまで文章や絵柄を配置してしまうと、断裁時に端の部分が切れたり、綴じ部分(ノド)側の文章が隠れて読みづらくなったりする可能性があります。

ページの紙端(仕上がり位置)より4~5mm程度は余白を設けておき、絵柄や文章はその中に入れるようにしておくと安全です。
また、綴じ部分(ノド)にあたる「とじしろ」は、10mm程度余白を設定しておきましょう。

【余白の設定方法】

  1. Wordの「ページレイアウト」⇒「余白」⇒「ユーザー設定の余白」⇒「上下、左右、とじしろ」の順に、サイズを設定します。
    「とじしろの位置」は右開きなら「右」を左開きなら「左」を選びます。
  2. 「規定に設定」をクリックし、「OK」で完了です。

 

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印刷の形式「縦方向に山折り(谷折り)」とは?

さらに、「印刷の形式」では冊子の場合A5サイズ仕上がり冊子をA4用紙へ両面で印刷する設定もしくは「本(縦方向に谷折り)」を選びます。

Wordの「本(縦方向に谷折り)」設定は、1枚の用紙に4ページ分の内容を両面印刷でき、製本後の仕上がりもきれいに仕上がります。

Wordで作る冊子の綴じ方向は、縦書きの場合は右綴じ、横書きの場合は左綴じが一般的です。

「本(縦方向に山折り)」は、「本(縦方向に谷折り)」の綴じ方を逆にしたものになります。

>>【製本】右綴じ・左綴じの理由と冊子作成時のポイント

フォントサイズの設定

冊子の入稿データ制作において重要なのがフォント(文字)のサイズです。

標準的なフォントサイズ

冊子の標準的な本文の文字サイズは8〜9pt(単位:ポイント)が最適です。
8pt未満の文字サイズは、可読性が落ち、本文では読みづらくなります。
参考文献や注釈などで、本文よりも少し小さめのフォントを選ぶ場合は、最小でも7ptまでにしておくとよいでしょう。

印刷データが出来上がったら試しにご家庭や職場のプリンターで印刷して、文字が読みやすいか確かめることをおすすめします。

フォントサイズの設定方法

まず、作りたい冊子に合わせて、本文の文字サイズと書体を選びます。
読者が読みやすいように、本文の文字サイズと書体は統一するのが基本です。
同様に、本文の行間と字間のサイズも統一しておきましょう。

フォントサイズを選んだら、文字列の方向や段組みの有無など、文字組みの設定を行います。

【フォントサイズの設定方法】

  1. Wordの「ホーム」で本文の書体、フォントサイズなどを選びます。
  2. Wordの「ページレイアウト」で「文字列の方向」などを設定します。

読みやすいページを作るためのさらに細かい設定については「wordの設定方法wordで文字数・行間・余白を意識してページ原稿を作る方法」で解説していますので、ぜひご覧ください。

プリンターの印刷設定

Wordのデータ作成が完了したら、次は印刷です。
「ファイル」から「印刷」を選択、「設定」で「両面印刷(短辺を綴じます)」を選択しましょう。

プリンターの設定について詳しくは、メーカーによって異なります。プリンターの説明書やマニュアルなどを参照して設定しましょう。

コンビニプリンターを使用する場合

自宅にプリンタがない方は、コンビニのマルチコピー機でも冊子を作れます。

冊子を作る場合は、マルチコピー機の「小冊子プリント」という機能を使います。1ページずつデータを作成すれば、あとはマルチコピー機が面付けしてくれるので、中綴じ冊子が簡単にできます。

コンビニで印刷したい場合は、次の2点に注意しましょう。

  • PDF形式で保存する
  • プリンターの用紙を選択する

PDF形式で保存する

コンビニのプリンターで印刷する場合は、Wordで作った冊子のデータをPDF形式で保存します。

コンビニのプリンターで用紙を選択するときは「展開サイズ」で指定しましょう。「展開サイズ」は冊子をひらいた「見開き」の状態のサイズのことです。

この記事で説明したA5サイズの冊子(横置きA4用紙に縦置きA5が2ページ横並び)の場合は、A4サイズの用紙を選びます。

セブンイレブンやローソンのマルチコピー機では、「小冊子プリント」に対応しています。操作手順は、画面の案内に沿って入力すれば良いので簡単です。

トップ画面→プリント→普通紙プリントの順で進めていきましょう。
(※原稿データのPDFファイルを、USBメモリなどで持っていくことを忘れずに!)

印刷が終わったら、印刷した紙を2つ折りにし、ホッチキスで留めて製本完了です。

マルチコピー機で印刷する際は、原稿のPDFファイルのバックアップを必ず取っておきましょう。データ消失の可能性がゼロではないためです。

>>PDFファイルからの製本!プリンタやコンビニと印刷会社を比較

印刷会社に依頼する場合

原稿のPDFファイルを印刷会社に入稿すれば、手間がかかる作業は全て、印刷会社が行ってくれます。

たとえば、ページの配置(面付け)、製本作業は印刷会社が行います。

  • 自分でやりたいけど、時間が取れない
  • 近所に小冊子対応のコンビニプリントがない
  • 手順を調べたものの、よくわからない
  • ハイクオリティな冊子を作りたい
  • 必要な部数が数十部以上あり、製本作業が大変

上記の項目が1つでもあてはまる場合は、印刷会社での冊子作成をおすすめします。

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まとめ

いかがでしたか。この記事では、Wordで冊子印刷データを作成する際の基本ポイントを紹介しました。
Wordの標準機能を使うだけで、手軽に冊子の入稿データを作ることができます。

Wordを使った冊子データ作成のポイントは今後も紹介していきます。是非参考にしていただき、あなたの冊子づくりにお役立てください。

冊子製本お役立ちコラム編集部

冊子の印刷製本を考えている方に、知っておきたい知識やお得な情報をお届けしています。はじめての方にもわかりやすく丁寧な記事を心がけています。 日々、お客様からのお問い合わせと注文対応に追われながら学ばせていただいています。

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