背幅の計算方法・背表紙のある冊子について理解しよう!
冊子を作る場合に大切なのが表紙まわりのデザインです。
背文字を入れる背表紙も、背文字やページ数に合わせてデザインする必要があります。
この記事では、背表紙のある冊子を作りたいと考えている方向けに、背表紙ができる製本や、背表紙の幅(背幅)の計算方法について紹介します。
背表紙(背幅)ができる冊子について
すべての冊子で背表紙はできるわけではありません。製本方法によっては背表紙ができない場合もあります。
背表紙ができる冊子とできない冊子について紹介していきます。
背表紙ができる無線綴じ冊子
背表紙ができる代表的な製本方法に「無線綴じ」があります。
無線綴じでは、本文(本の中身)の用紙を重ねた背の部分を糊で綴じます。表紙まわりで本文を包み込んで製本する方法です。
このため、表紙まわりに本文の厚み分だけ「背表紙」ができます。この背表紙の幅は「背幅」と呼ばれます。
背表紙に文字などを入れたい場合は、無線綴じを選びましょう。
背表紙ができない中綴じ冊子
一方、背表紙ができない冊子で代表的なものに「中綴じ」があります。
中綴じでは、まず本文の用紙を重ねて、中央を製本用のホッチキスなどで綴じます。次に、その部分を2つに折って仕上げます。
このため、中綴じ冊子では背表紙ができません。
背表紙に書かれる背文字の役割とは
背表紙のできる冊子には、背の部分に文字を入れることができます。この文字を「背文字」と呼びます。
背文字には、「冊子のタイトル」「著者名」「発行所」などの必要な情報を入れます。本棚や書棚に並べた際に、ほかの冊子と一目で見分けがつくようにすることが大切です。
背幅の計算方法
背幅の計算は、面倒なイメージがありますが、次のような簡単な計算方法で割り出すことができます。
背幅(mm)=(表紙の紙厚×2)+(本文の紙厚×ページ数÷2)
表紙と本文用紙の紙厚に、本文のページ数を加えることで、背幅は計算できます。
選べる用紙の銘柄や厚みは表紙・本文で異なりますので注意してください。
ネット印刷プリントモールでは「表紙・本文の厚みとページ数を選ぶだけで自動で背幅が算出できる計算ツール」をご用意しています。ぜひご活用ください。
>>背幅が自動で計算できる「背表紙の幅計算ツール」はこちら
用紙の種類や厚みにより背幅は変わる
用紙の種類によって、紙厚や重さ(斤量)には違いがあります。このため、背幅の値も変わってきます。
たとえば、プリントモールで取り扱う用紙の紙厚は、以下のようになります。
※紙厚の数値は実験値です。保証値ではありません。
用紙名・連量(kg) | 紙厚(mm) |
【表紙】カード紙 180kg | 0.215mm |
【表紙】コート紙 135kg | 0.13mm |
【表紙】マットコート紙 135kg | 0.174mm |
【本文】上質紙 90kg | 0.127mm |
【本文】上質紙 70kg | 0.089mm |
【本文】上質紙 55kg | 0.078mm |
【本文】コート 110kg | 0.105mm |
【本文】コート 90kg | 0.085mm |
【本文】マットコート 110kg | 0.137mm |
【本文】マットコート 90kg | 0.108mm |
【本文】マットコート 70kg | 0.08mm |
同じ紙厚であっても、用紙の銘柄により重さ(斤量)が同じとは限りません。※重さ(斤量)は「㎏」で表されます。
たとえば、冊子の本文用紙で一般的に使われる、上質紙とマットコート紙で同じ紙厚を選んだとしても、重さ(斤量)は違ってきます。
紙厚は同じ約0.08mmですが、上質紙では55kg、マットコート紙では70kgとなります。
紙の厚みには誤差もある
同じ用紙の種類でも製紙メーカーによって紙厚が違ったり、製造の時期に違いによっても微妙に紙厚に誤差が生じることもあります。
ただし、誤差はわずかなため、冊子への影響はほとんどないと捉えておけばよいでしょう。
たとえば、マットコート紙70㎏・1枚当たりの紙厚は0.1㎜未満です。用紙5枚分(10ページ)の計算に誤差があったとしても、約0.5㎜程度です。
ページ数でも背幅は変わる
本文のページ数によっても背幅は変わってきます。ページ数が少ないと背幅は狭くなり、ページ数が多くなると背幅は広くなります。
また、背幅はページ数だけによって決まるわけではありません。繰り返しになりますが、表紙の紙厚と本文の紙厚、それにページ数によって変わるということに注意が必要です。
背幅が3mm以内の場合は注意が必要
背表紙に背文字・タイトルなどを入れる場合は、最低でも3mm以上の背幅が必要です。
一方、背幅が3mm未満の場合は背表紙に文字を入れない方がよいでしょう。
「背幅が3mm未満の背表紙」に文字を入れる場合は、以下の点を考慮しておく必要があります。
・背文字が小さくなるため、判読しづらくなる場合があります。
まとめ
冊子を作成する上で忘れてはならないのが、表紙周りのデザインと背文字を入れる背表紙です。
この記事では、背幅の簡単な計算方法などをお伝えしました。
背表紙を正しく理解することがより見栄えのよい冊子を作るためのポイントになります。
不安な場合は試し刷りを相談するなど、不明点は印刷会社に問い合わせて事前に解消しておくことがおすすめです。
冊子印刷でお困りの場合は、ネット印刷プリントモールにぜひご相談ください。