中綴じ冊子のページがはみ出る!きれいに仕上げる方法とは?
「中綴じって内側のページがはみ出る気がするけれど、どうして?」
冊子を作っていて、こんな疑問が湧いたことはありませんか。
中綴じ冊子は、ページ数が増えると、内側のページがはみ出る現象が起きます。
このような現象を不思議に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、「中綴じ冊子の内側のページがはみ出る現象」について、冊子の構造を理解しながら、何故はみ出てしまうのか、どんな対処法があるのかを解説します。
身近な製本方法「中綴じ」の疑問を解決していきましょう。
なぜ中綴じすると紙がはみ出るのか
まず、中綴じの構造について解説します。
中綴じは、紙を重ねて二つ折りにし、背になった部分を針金で留めて製本します。
本を開いたときに外側にくる部分を「小口」、内側の綴じ部分を「ノド」と言います。
中綴じで、内側のページがはみ出るのは、紙の厚み(ページ数)でノドのスタート位置にズレが生じることが原因です。ページサイズは全て同一なので、重ねていくと、紙の厚みでノドの位置がスライドした分だけ、はみ出してしまうのです。
ページ数が多いほど大きくはみ出してしまいますが、紙を重ねて二つ折りする構造上、避けられません。
はみ出さないように断裁(カット)するとどうなるか
前述の通り、中綴じ製本の構造上、どうしても内側のページは、はみ出してしまいます。
小口側のはみ出した部分は、カット(断裁)することで揃えます。
そのため、はみ出しの大きい中間のページにいくほど、ページの横幅は小さくなってしまうことになります。
小口側の紙端に絵柄を配置していた場合は、絵柄が切れてしまうことがあります。
絵柄が切れないようにするには?
断裁位置に重要な絵柄が来ないように、小口側の余白を多めに取ってデザインしておくと、絵柄が切れてしまうのを防げます。
中心部に近い中間のページほど、余白を意識しておくと良いでしょう。
しかし、余白や絵柄に注意を払いながら本を作成するのは大変です。
また、「はみ出しを抑えるために、ページ数を減らすなんてできない!」ということもあるでしょう。
ページが多くなる場合は、分厚い本に適した「無線綴じ」を選ぶのがおすすめです。
ノドの位置がすべて均一になる製本方法なので、ページのはみ出しがなく、中間のページが小さくなることも避けられます。
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印刷会社が行うクリープ処理
印刷会社では、中綴じでどうしても防げない「はみ出し」に対して、「クリープ処理」を行い、調整しています。
「クリープ処理」とは、送り込み処理とも呼ばれ、ページを配置(面付け)する際に、ノド側の余白を詰めて調整することで、小口側の絵柄が切れないようにする処理のことです。
出来上がりに合わせてノドの余白を調整するため、ページごとの絵柄のズレを解消しています。(逆にノド側は、はみ出し分だけカットされてしまいます。)
中綴じは自作しやすい製本方法ではありますが、自分で一枚一枚余白を調整するのは大変な作業です。
この作業も印刷会社に頼めば、調整を行ってくれます。楽にきれいな製本ができるのも、印刷会社に頼むメリットと言えるでしょう。
なお、ノド側に絵柄がある場合は、見開きページのズレを防ぐことを優先する為、クリープ処理を行わないのが一般的です。
まとめ
「中綴じ冊子の内側のページがはみ出る現象」について解説させて頂きました。
中綴じの構造上、避けられない「はみ出し」は、小口側を断裁して揃えています。
しかし、中心部に近いページは断裁範囲が広いため、絵柄が切れやすくなってしまいます。
絵柄を切らないようにするには、下記のような対策があります。
・ページ数が多くなる場合は、中綴じより絵柄が切れづらい、無線綴じ製本を選ぶ
・印刷会社にお願いし、「クリープ処理」でノドと小口の余白を調整してもらう
自作がしやすい中綴じも、印刷製本は印刷会社にお願いすることでより綺麗に仕上がります。
冊子を作成をすることになった際には、是非参考にしてみてくださいね。
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