本・冊子の専門用語「小口」とは?

本を開いたとき外側にくる部分のことを、冊子製本の専門用語で「小口」と言います。

小口部分の余白により、本の印象も大きく変わってくるため、小口は紙面設計においてとても重要な箇所です。
しかし、実際にどれくらい余白を取れば良いのか、どんなことに気を付ければ良いのか、最初はよくわからないと思います。

本記事では、初めて冊子を作る人に向けて基本知識や注意点などをわかりやすく紹介していきます。

本の各部分の名称

まず、基本知識として、本の各部分の名称を説明いたします。
冊子づくりにおいて、以下の4つは最低限覚えておきましょう。

・小口・・・本を開いたとき、外側にくる部分のこと。
・のど ・・・本を開いたとき、内側になる部分のこと。
・天 ・・・本の上側にあたる部分のこと。
・地 ・・・本の下側にあたる部分のこと。

小口とのど、天と地の余白について

余白は冊子の綴じ方を考慮して設計する

余白は作り手が自由に設計することができますが、製本の仕様も考慮しないと、冊子として仕上がったときにおかしな見栄えになってしまいます。冊子の綴じ方によって、最適な余白が決まってきます。

また、綴じ方を無視してレイアウトすると、文字が内側に寄りすぎてしまい、のど部分の文字が読めなくなるなどの不都合が生じます。失敗しないためにも、仕上がりをイメージしながら最適な余白を設計し、データ作成を行うことが必要になります。

余白を意識するだけでも、冊子のクオリティが上がるので、きれいで読みやすい冊子づくりを目指しましょう。
コツとして、小口と天の余白の寸法をそろえると見栄えがよくなります。

データ作成時の注意点

では、冊子づくりにおいて、どのくらい余白を取れば良いのか、具体的な数字を用いて説明します。
(※以下は、無線綴じ冊子・中綴じ冊子を対象とした場合)

【小口側】必要な絵柄や文字は仕上がり位置より4~5mm以上離す

特に、ページ数が多い場合は、製本時に小口側にずれが生じやすくなります。
裁断する際に、小口ギリギリに配置された文字や絵柄は切れてしまう可能性があります。
あらかじめ、紙端から余裕を持って配置しましょう。

【のど側】仕上がり位置より10mmは、文字・絵柄を配置しない

のどの付近に文字や絵柄を配置した場合、製本の都合上、綴じている根元部分は完全には開けません。
綴じ部分の文字が隠れてしまったり、見開きになった状態で絵柄がずれて見える可能性があります。
余白は10mm以上取り、小口以上に余裕を持たせて配置しましょう。

以上2点を最低限意識して、余白をレイアウトしていきましょう。

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小口の活用方法:インデックス

小口の活用方法として、冊子のページに「インデックス」をつけると良い場合があります。
主に、商品カタログやテキストなど、ページ数が多くカテゴリーや章ごとに内容を紹介したい冊子にはインデックスをつけることをおすすめします。

インデックスとは、カテゴリー・章ごとに小口に色をつけて、ページ検索を容易にするものです。いちいち目次を見る必要もなくなり、最短時間で見たいページにアクセスできます。
また、インデックスは、ページデザインのアクセントにもなります。

左ページなら、ページの左端、右ページならページの右端にインデックスを配置するのが一般的です。

まとめ

今回は、小口を中心に余白の取り方や紙面設計での注意点などを簡単にお伝えしてきました。
冊子づくりに重要なことは、以下の通りです。

・小口をはじめとした冊子の各部分の名称をおぼえる。
・仕上がりをイメージしながら最適な余白を設ける。
・ページ数が多く複数のカテゴリーがある場合は、インデックスをつけると利便性が高まり、なおかつページデザインのアクセントにもなる。

以上のことを頭において、きれいで読みやすい冊子づくりにチャレンジしてみてください。
慣れてくれば余白の数値を細かく設定して、クオリティをアップさせていきましょう。

冊子製本お役立ちコラム編集部

冊子の印刷製本を考えている方に、知っておきたい知識やお得な情報をお届けしています。はじめての方にもわかりやすく丁寧な記事を心がけています。 日々、お客様からのお問い合わせと注文対応に追われながら学ばせていただいています。

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