印刷・製本を考慮した冊子に必要な余白とは?
冊子(印刷物)を作成する場合、いかに見栄えよく、読みやすくするかが大事です。
デザイン面では、余白の取り方、書体、絵柄の配置などの要素に気をつける必要があります。その中でも、余白の取り方は、重要なポイントのひとつです。
ここでは、印刷、製本を考慮した冊子の必要な余白について説明していきます。
余白が必要な理由
冊子のページデザインを行う際、紙面内に余白が必要なことはご存じですか?
余白の少ない冊子は、窮屈で読む側にとっては息苦しさを感じさせ、逆に余白が大きすぎると全体的に貧弱な感じに見えたりします。また、紙の端まで文字が配置されていると、印刷後の裁断で切れてしまう可能性もあります。
冊子の基礎知識として、内側の部分を「ノド」、外側の部分を「小口」と呼びます。ノドは綴じられた方で、本を開いた状態の中央部分になり、小口は、本を開いた状態の外側の部分になります。
ページ数が多い冊子を作成する場合は、ノドの側に余白を多くとる必要があります。本が厚いために、ページを開いた時、内側の文字などが見えにくくなるためです。
必要な余白は綴じ方によっても変わる
バランスのとれた余白設計ができれば、見栄えよくクオリティがアップしますが、綴じ方やページ数により、ページの見える面積は変わってきます。本や冊子の仕様によっても余白の取り方は変える必要があります。
背表紙の付く無線綴じ冊子と、紙の中央を針でとめる中綴じ冊子では、冊子の開き方が異なるため、余白の取り方も変わってきます。
無線綴じ冊子の場合
無線綴じ冊子は、用紙の厚さやページ数にもよりますが、中綴じのようにページの内側を完全に開くことができません。ページ数が多くなればなるほど、隠れる部分が増える可能性があるので、ノドの余白には気をつける必要があります。
ノドから10mmの範囲には、文字や絵柄などは入れないようにしましょう。見た目もすっきりとして、良い印象を与えます。
冊子の基礎知識として、紙面の上側を「天」、下側を「地」と呼びます。
基本的に四方の余白は均等には取らず、天の余白は地よりも多く設計します。そうすることで、落ち着きのあるデザインとなり、見やすくなります。
天地、小口側は、仕上がりより5mm以上、大切な絵柄などは入れないように考慮します。
中綴じ冊子の場合
中綴じ冊子の場合、ページが少ない冊子に関しては、ノドの部分を気にしなくてもよいのですが、多くなるほど考慮しなければなりません。
外側にいくにつれて、ノドの部分が数ミリ隠れてしまうので、最低10mmは余白を取っておきます。紙面ぎりぎりまでデータがあると、製本する断裁の時点で余白が少なかったり、データが見切れたりする恐れもあります。
天地、小口は、無線綴じ冊子と同じく、5㎜以上余裕をもって絵柄などを配置するようにします。
まとめ
どんなに内容の良い原稿でも、余白の取り方次第で、読みやすさや見栄えに大きな違いが出てきます。
余白の設定は、重要なポイントになります。適切な余白を設けることで、冊子の見栄えが良くなり、クオリティをアップすることができます。
冊子データを作成する際は、余白の設計に気を配り「文字がページの内側に入りすぎて、冊子になった状態では読めなかった…」とならないように注意しましょう。
コメントを投稿するにはログインしてください。