無線綴じとは?中綴じとの違いやメリット・デメリット、入稿時の注意点を紹介
「自作の小説を冊子にしたいけどやり方が分からない…」
「論文を製本しなければならないが適した製本方法って何?」
このように、冊子を作ることになったけれど、製本方法ややり方が分からず悩んでいる方も多いかと思います。
この記事では、一般的に多く使われる「無線綴じ」の製本方法や特性を解説していきます。
無線綴じとは?
「無線綴じ」とは、印刷された本文を表紙でくるみ、背表紙部分に接着糊を付けて綴じる冊子の製本方法です。
本文の背を糊で固めて表紙を接着するため、仕上がった背には糸や針金で綴じるような「線」が出ないことから「無線」綴じと名付けられました。
本文を表紙でくるんで製本することから「くるみ製本」とも呼ばれます。
本文の厚みの分だけ背表紙ができるのが特徴で、テキスト冊子やカタログなど、一般的に本文32ページ以上の冊子に使用されます。
無線綴じのメリットとデメリット
無線綴じは、仕上がりが丈夫で高級感もあるため、大切な冊子を長期保存しやすいというメリットがあります。
また、ページ数の多さに対応でき、背表紙ができるため本棚に保管した際に目当ての本をすぐに見つけやすいというメリットもあります。
分厚い本を低価格で印刷し、しっかりと保管したい場合に向いています。
一方、デメリットとしては十数ページ程度の少ないページ数には、製本が難しくなり向いていないことが挙げられます。また、ページ数が多いほどページの綴じ側周辺はやや開きづらくなり、読みづらくなります。
無線綴じはここが便利!
「無線綴じ」には以下のようなメリットがあります。
・丈夫な作りで保管性が高い
・本棚に置いていても見つけやすい
・高級感のある冊子に仕上がる
無線綴じは、ページ数が多くても丈夫な冊子を製本することができます。
本文が数百ページにおよぶ場合も製本でき、しっかりと本文が糊付けされているため、強度もあり長期保管にも最適です。
また、背表紙があることで、本棚や書庫からも見つけやすくなることや、背表紙のついた本は本格的な仕上がりになるため、高級感が出ます。
無線綴じに向いている冊子
無線綴じは以下のような冊子が適しています。
・教科書、テキスト教材、ルール本
・研究報告書、論文
・卒業文集、アルバム
・小説、同人誌、自費出版本
ページ数の多い冊子、特に、カタログや教科書、テキスト教材、高級感を出したいアルバムなどは、いずれも頻繁に開かれたり読み返すことが多く、長期保管にも耐えられる丈夫さが必要な冊子です。
無線綴じの注意点
無線綴じでは、以下の点に注意する必要があります。
まず、無線綴じは、ページ数が少ない(厚みが薄い)冊子には対応できません。
ある程度厚み(ページ数)がないと糊を付ける部分がないためです。
ウイルダイレクトでは、本文32ページ(表紙4ページを含む総ページ数は36ページ)から対応しています。
また、ノド(綴じ部分)がしっかり固定される分だけ、冊子が平らに開きづらく、
綴じている側(ノド)付近の絵柄は見えづらくなります。
逆に、無線綴じと並んで冊子製本によく使われる「中綴じ」は、中央部をホッチキスで綴じる構造上、そこまで多くのページを綴じることはできず、ページ数の少ない冊子に向いています。
「中綴じ」は、ページ数の少ないパンフレットなど薄い冊子によく使われ、無線綴じよりも開きやすいのが特徴です。8ページから印刷対応できますので、ページ数が少ない場合は、必要に応じて「中綴じ」を選びましょう。
無線綴じ、中綴じのページ数のルールについては以下の記事で紹介しています。
>> 冊子のページ数について理解しよう!
無線綴じ冊子データを作る場合の注意点
無線綴じ冊子の紙面データを作る場合は、背表紙や製本の構造を考慮する必要があります。
デザインの配置位置に注意
本を完全に開ききることができない特性上、ノド付近(綴じ部分)の絵柄は見えづらくなります。写真や文字など、重要な絵柄は仕上がり線(紙端)から10mm以上離して配置しましょう。
表紙のデザインは背表紙の幅(背幅)に注意してデザインを
背幅は、本文の厚みでできる幅であり、冊子のページ数によって変動します。
表紙データを作る際は、背表紙を考慮してデザインや文字の配置を行う必要があります。
特に、背幅が極端に狭い場合はレイアウトをするスペースがほとんど無くなります。
「背幅が3mm以下」になる場合は、背表紙内に文字を入れないようにするとよいでしょう。
中綴じとは?
無線綴じと並んで、代表的な冊子の製本方法に「中綴じ」があります。
「中綴じ」とは無線綴じとは異なり、針金やホッチキスを使って綴じる製本方法です。
紙を2つ折りにして真ん中を針金などを使って綴じるため、ページ数の少ない冊子によく用いられています。中綴じ冊子は構造上、ページ数は4の倍数となります。
本の根元まで開くことができるので見開きでも見やすいという特徴があり、パンフレットやイラスト集などによく使われています。
中綴じはページ数が少ない冊子に用いられる
中綴じはページ数が少ない冊子に最適です。構造上、ページ数が4の倍数で、表紙を合わせた総ページ数が8ページ以上であれば冊子にすることができます。 最小8ページから製本できるため、簡易的な案内プログラムや取扱説明書、アンケート冊子、付録用の小冊子などによく利用されます。
無線綴じでは少ないページ数の冊子の場合、表紙と本文を接着する構造上、製本が難しくなるため、十数ページ程度の冊子の場合は、中綴じを選択するのがおすすめです。
>>参考:よくわかる中綴じページ数の数え方・面付け、無線綴じとの違い
中綴じのメリットとデメリット
中綴じのメリットは、無線綴じより少ないページ数から製本でき、ページの開きが良い冊子が作れる点です。
その取り扱いやすさから、パンフレットや簡易的な説明書など小冊子に向いています。
また、無線綴じと比較すると、比較的安価で仕上げられるので、初めて冊子を作ってみる方にもおすすめです。
逆に、デメリットとしては、針金で綴じる構造上、100ページを超えるような冊子は製本が難しくなります。また、強度も無線綴じには劣るため、長期保管したい書籍や記念誌、ページ数の多いカタログなどを作る場合は「無線綴じ」を選ぶとよいでしょう。
無線綴じと中綴じの違いは?
まず、無線綴じと中綴じでは製本費用が異なります。一般的には中綴じの方が無線綴じよりも低コストで製本をすることができます。
次に、実際に冊子を読む際のページの見やすさが異なります。
中綴じは根元まで開いてしっかりと見ることができますが、無線綴じは本文を糊で接着しているため、根元部分が開きづらく、ページ数が多いほどやや読みづらくなります。
最後に、対応ページ数の違いです。
無線綴じは100ページ以上でも製本が行えますが中綴じでは製本が難しく対応できない場合があります。
一方で、十数ページ程度の冊子では、中綴じが対応できるのに対し、無線綴じは製本の構造上、対応できない場合があります。
開きづらさが気になる人にはPUR製本がおすすめ
ページ数が多いけれど、無線綴じの開きづらさを解決したいという場合には、「PUR製本」を選ぶのがおすすめです。
「PUR製本」は無線綴じの一種で、通常の無線綴じとは違い、特殊な糊を使用します。
一度固まると溶けることがないので、劣化しづらく、より丈夫な本に仕上がります。
「PUR製本」は、糊の強度が高いため、無線綴じよりも接着部分の厚みを最小限にでき、ページが開きやすいのが特徴です。ノド部分までしっかり開くことができるので、読みやすくなり、コピーや書き込みもしやすくなります。
また、本を開いたままにすることも容易になり、他の作業をしながら読むようなレシピ本や楽譜、テキストなどへの利用に適しています。
PUR製本は、通常の無線綴じよりもややコストはかかってしまいますが、開きやすい本を作りたい方には非常におすすめです。
ネット印刷プリントモールでは、全ての無線綴じ冊子をPUR製本で低価格でご提供しています。
当店独自の糊を使用した開きやすくより丈夫な「新PUR製本」も取り扱っております。
以下の記事でより詳しくご紹介しています。
>>PUR製本とは?無線綴じや新PUR製本との違いについても紹介
無線綴じ冊子の印刷ならプリントモール!
ネット印刷プリントモールでは、最小で5部・36ページから無線綴じ冊子印刷を承ります。
サイトご注文なら最大で本文504ページまで、個別お問い合わせでのご注文なら最大996ページまで対応できます。
また、表紙PP加工など、ワンランク上の冊子に仕上げる加工オプションも対応できます。
高速の冊子製造ラインで製本まで仕上げ、リーズナブルな価格でご提供いたします。
まとめ
この記事では、糸や針金を使わない製本方法、「無線綴じ」を中心に説明しました。ページ数の少ないパンフレットや同人誌に向いている中綴じに対し、無線綴じは小説や教科書、カタログ、アルバムなどでよく使用されています。ページ数を多くしたい、高級感が欲しい、しっかりとした丈夫な冊子にしたいという場合に向いています。
お作りの冊子に合わせた製本方法を選んで、素敵な冊子を作ってくださいね。
ネット印刷プリントモールでは、リーズナブルな低価格で無線綴じ冊子をご提供します。
冊子印刷をお考えの方はぜひご利用ください。
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