再版とは?重版・改訂との違いから便利な増刷のコツ
再版、増刷、重版、改訂・・・・・。これらの印刷用語は似ているようで異なる意味を持ちます。
本記事では、それぞれの違いを明確に説明し、効果的な再版の方法を紹介します。
印刷に携わる方々や出版者にとって、正しい用語の理解と再版のコツは重要です。それでは、順を追って解説していきましょう。
再版とは?
再版とは、以前に印刷された本や資料を、内容を変えずに再度印刷する行為を指します。
具体的には、過去に発行された書籍や冊子、ポスターなどが再び需要がある場合や在庫が不足している場合に利用されます。
例えば、ある書籍が一度発行されて好評となり、後に再び需要が高まった場合、同じ内容の本を再度印刷するのが再版です。この際、前回の印刷と同じ内容を維持することが重要です。再版は、需要の変動や在庫管理の観点から、出版物の生産を効率的に行う手段として活用されます。
このように、再版は、同じ内容を維持しつつ新たな印刷を行うことで、需要に応える手段となります。
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増刷と重版の違い
増刷と重版は、再版と同様に印刷物の追加製作を目的としていますが、その適用場面や特徴、意味合いには違いがあります。
増刷は、以前に印刷された資料や書籍の内容をそのまま維持しながら、追加で印刷することを指します。例えば、急激な需要増加に対応して、同じ内容の本を再度印刷する場合に利用されます。初版の増刷の場合、奥付には「初版 第2刷 ◯年◯月◯日発行」のように表記され、同じ内容の本が何度目の印刷かを示します。
重版は、内容の大幅な変更はないものの一部を加筆・修正するなどの変更をして追加印刷することを指します。時代の変化や需要の変動に対応するため、前回印刷した内容を一部変えたい場合に使われます。奥付には、「第2版 第1刷 〇年〇月〇日発行」のように表記されます。
増刷は、再版と同じで、内容を変えずに同じ印刷物を追加製作するのに対し、重版は、一部を加筆・修正した新しい版を作成してから印刷することになります。
改訂の意義と手順
改訂は、過去に作成した印刷物の一部を変更・追記し、新しい版として印刷することを指します。重版が、基本的な内容が同じ前提で軽微な修正や加筆が行われるのに対し、改訂は、より大幅な内容の変更が行われます。両者の違いは変更の度合いです。
改訂の主な目的は、読者にとって最新版を分かりやすく提供することです。税制や法律の変更により内容が古くなる場合や、新たな情報が追加される場合に改訂版を出します。
改訂では、重版の場合と同様に、改訂情報を奥付に明記します。例えば「初版 第1刷 〇年〇月〇日発行」から「第2版 第1刷 〇年〇月〇日発行」のように変更します。
また、改訂では、タイトルや一部の本文が変更されるのが一般的です。これにより、読者は最新版を容易に識別できます。
原稿の作成の際は、改訂のためのデータを別途作成し、変更点や追加情報を明確に示すことが重要です。混同を避けるため、過去の印刷データは使用せずに、表紙や本文の印刷データを新たに入稿して印刷・製本するのが一般的です。
印刷会社への注文方法
再版の場合は、前回入稿した原稿データと全く同じものを使用します。
既に印刷会社に依頼した経緯がある場合、印刷会社は一定期間、原稿データを保管している場合があります。再度、原稿データを提供する必要があるか、確認するとよいでしょう。このとき、変更点が無いことに注意して、再版であることを伝えましょう。
増刷の場合、特に奥付の更新に注意しましょう。奥付に変更がなければ、再版と同様に前回のデータをそのまま使用します。奥付の変更が必要の場合は、変更箇所ありとなりますので、重版や改訂と同様に扱います。
重版や改訂の場合は、変更箇所があるため、以前の版と混同しないように注意が必要です。前回の原稿データは使用せず、新しい原稿データを送付するとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、再版、増刷、重版、改訂、それぞれの意味と違いついて解説しました。
再版は前回と全く同じ内容を印刷する際に用いられます。
増刷も同じ内容の印刷となりますが、奥付の更新の有無に注意が必要です。
重版や改訂では、情報の一部が変更されるため、新たな原稿データが必要です。重版は掲載内容の一部の内容が修正される場合、改訂はタイトルや表紙、本文などの一部が変更される場合に使われます。
印刷会社への依頼時には、前回のデータが残っている場合もあるため、事前に確認するとよいでしょう。また、奥付の情報を正確に記載することで、版の区別がしやすくなります。
再版、増刷、重版、改訂を上手く使い分けて、効果的な情報発信を行いましょう。