印刷用紙の種類と選び方
印刷用紙は豊富な種類があり、どれを選べばいいか悩む方も多いでしょう。
印刷物を依頼する前に、用紙の特徴を理解して適切な印刷用紙を選べたらいいですよね。
そこでこの記事では、印刷用紙について用途や特徴をふまえて、選び方のポイントをわかりやすく解説していきます。
冊子やポスターなどの作成を検討している方は、最適な印刷用紙を選ぶための参考にしてください。
印刷用紙の分類って?大きく5種類に分けて解説
印刷用紙の種類は、大きく分けて以下の5つに分類されます。
・非塗工紙
・微塗工紙
・塗工紙
・特殊印刷用紙
・情報用紙
種類によって、コーティングの有無や発色・書き込みの良さなどが異なるので、それぞれの違いを確認しておきましょう。
非塗工紙(ひとこうし)
非塗工紙は、原料となるパルプのみで作られたコーティングされていない用紙です。
パルプの配合率や白色度によって、下記の3種類に分類されます。
・上質紙(上級印刷紙)
・中質紙(中級印刷紙)
・ざら紙(下級印刷紙)
表面の光沢が少ないため、文字の多い冊子に向いています。
微塗工紙(びとこうし)
微塗工紙は、塗料で表面がコーティングされた塗工紙の一種です。
塗料の塗布量が両面で12g/㎡以下のものを指します。
コーティングが薄く、光沢が抑えられているため「マットコート紙」とも呼ばれています。
一般的な塗工紙に比べて白色度や表面の光沢が少なく、文字が見やすいため、文字の多い書籍やチラシ印刷に向いています。
塗工紙(とこうし)
塗工紙は、塗料で表面がコーティングされた用紙です。
塗料の塗布量に応じて「アート紙」「コート紙」「軽量コート紙」などに分けられます。
また塗料の加工の仕方によって下記の3つに分類されます。
・グロス(ツヤあり
・ダル(半ツヤ)
・マット(ツヤなし)
表面の平滑度が高くインキの発色が良いため、特にカラー写真をきれいに印刷することができます。
写真が多用されるポスター、チラシ、カタログ等の印刷に向いています。
特殊印刷用紙
特殊印刷用紙は、特殊な模様や色が付いている印刷用紙です。
種類はさまざまあり、それぞれ他の印刷用紙と差別化を図る特別感を演出できます。
・色上質紙…色が付いた印刷用紙のこと。カラーバリエーションが豊富で、上質紙と同じような手触りで比較的安価な価格で作れます。
・ファンシーペーパー…質感や手触り、厚みなどが従来の用紙と異なり装飾用にデザインされた用紙です。ザラザラとした質感の「マーメイド」や、革のような模様が特徴的な「レザック66」、凸凹模様の「タント」などがあります。
・エンボス紙…用紙に浮き出しや型押しなどを行い、凸凹の模様を付けた用紙のこと。平らな用紙を少し立体に見せることで文字を強調したり、凸凹を装飾として活用できます。
情報用紙
情報用紙は、筆記性に優れ書き込みやすい用紙です。
印刷用紙の中でもプリンターでの印刷に向いており、
コピー用紙・インクジェット紙・ノーカーボン紙・フォーム用紙などが当てはまります。
コーティングが一切されていないため、光沢が少なく筆記性と判読性に優れた用紙です。
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印刷用紙の表記ルール「厚さ(kg)」とは?
印刷用紙は、「上質紙55kg」や「マットコート紙70kg」といった表記の仕方をしています。
この表記ルールについて解説を行います。
これらは、「紙質の名称」+「用紙の厚み」を表記しています。
つまり「上質紙55kg」とは、
・紙質:上質紙
・厚み:55kg
ということなのです。
印刷用紙の厚みは、「連量(斤量)」で表します。
連量とは、印刷用紙を1,000枚重ねたときの重さです。
また、用紙のサイズにもぞれぞれ規格があり、どの規格を選ぶかによって連量も異なります。
JIS規格(日本工業規格)によって定められているのは以下の5種類です。
・A列本判
・B列本判
・菊判
・四六判
・ハトロン判
用紙を選ぶときは、用紙ごとの連量(斤量)を換算表で確認してから決めましょう。
用途別のおすすめ用紙はこちら!
印刷物の用途によって、向いている用紙は違います。
用途別のおすすめ用紙を確認して、どの用紙で作成するべきか検討してみましょう!
冊子
冊子を作る場合は、以下の用紙がおすすめです。
表紙:長期保存を求める場合は、厚みがあり丈夫でコーティングされた耐久性に優れた用紙を選びましょう。
【おすすめ用紙】
カード紙、コート紙など
本文:写真中心か、文章中心の冊子かによって、おすすめの用紙が違います。
【おすすめ用紙】
写真メイン→マットコート紙
文章メイン→上質紙、マットコート紙
チラシ
チラシは、チラシの内容や受け取った人がどう使うのかによって、おすすめの用紙が変わります。
発色や光沢、手触りや筆記性を考慮して、チラシの内容と用途に合った用紙を選びましょう。
【おすすめ用紙】
写真中心のチラシ→コート紙
イラスト・文章メインのチラシ→マット紙
書き込みを想定したチラシ→上質紙
名刺
名刺は、自身を覚えていただくための大切なものなのでペラペラの用紙で作ることは控えましょう。用紙の厚みは180kg前後をおすすめします。
保管性に優れ、手触りのいい用紙を選びたいですね。
また、特殊紙を使用して個性をアピールする選び方もおすすめです。
【おすすめ用紙】
孔雀ケント、ホワイトPHOなど
印刷用紙ごとの特徴と選び方
印刷用紙はそれぞれ、厚さ・筆記特性・光沢など特徴が違います。
それぞれの特徴を理解して、用途に合った最適な印刷用紙を選んでみましょう。
>>印刷用紙選びガイド:コート紙、マット紙、上質紙、その他の用紙を解説
カタログ、パンフレットならコート紙
【おすすめ用途】
商品カタログ、パンフレット、写真集、チラシ
コート紙は、用紙の表面をコーティングしたツルツルした手触りで光沢のある用紙です。
発色が良くカラー印刷に適しているため、写真やイラストメインの印刷物に向いています。
しかし、表面をコーティングされているため、鉛筆や水性ペンでは書き込みにくいです。
書き込みを想定している印刷物への使用は控えたほうがよいでしょう。
>>コート紙とは?光沢があって色が映える!印刷用紙の種類と違いを紹介
会社案内、チラシなどにマットコート紙
【おすすめ用途】
パンフレット、会社案内、商品カタログ、チラシ
マットコート紙は、コート紙と同じく用紙の表面をコーティングしているが、特殊な加工を施して光沢を抑えた少し上品な用紙です。
発色が良くカラー印刷に適しているため、写真やイラストが多い用途に向いています。
また、コート紙ほど光沢がないため、文字が多いパンフレットや学校案内におすすめです。
>>マットコート紙とは?ガイドブックや書籍などの冊子に最適!
会議資料などに上質紙
【おすすめ用途】
メモ帳、ノート、小説、会議資料
上質紙は、パルプ本来の風合いを生かした、ザラザラした手触りの光沢がない用紙で、書き込みやすい特徴があります。
上質紙は、筆記性に優れており、光沢が少ないため文字の判読性に優れている用紙です。
メモ用紙やコピー用紙に使われることが多く、文字を書き込む冊子には上質紙が向いています。
冊子の表紙やポストカードなどにカード紙
【おすすめ用途】
冊子の表紙、ポストカード、名刺
カード紙は、表面に光沢があり厚みがある印刷用紙です。
平滑度が高く、発色が良いためカラー印刷の表紙に向いています。
他にもカード紙は厚みがある紙なので、パッケージや板紙として使用されることが多いです。
名刺やショップカードなどに孔雀ケント紙
【おすすめ用途】
名刺、ショップカード、スタンプカード
孔雀ケントは、ケント紙の手触りに手に馴染む独特の手触りが魅力的な用紙です。
手触りがよく厚みがある用紙なので、名刺に向いています。
または、白色度が高くわずかに青みがかった用紙なので、文字の判読性が高く読みやすいです。
名刺を作る際には、孔雀ケントで印刷依頼しましょう。
パンフレット・写真集などにホワイトPHO
【おすすめ用途】
パンフレット、写真集、名刺
ホワイトPHOは、名前通り白色度が高い印刷用紙です。
光沢がなく「Photograph」の頭文字が由来しているホワイトPHOは、写真映えする用紙で写真集などに向いています。
厚みもしっかりある用紙なので、ホワイトPHOを名刺に使用する人も多いです。
実際に手にとって確かめたい方へ!用紙サンプルを配布中
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厚みや手触りなど、実際に触ってご確認いただける用紙サンプルをご用意しております。
無料でお送りしておりますので、ご希望のお客様は以下よりご請求ください。
ぜひ実際にお手に取って、用紙の特徴や風合いをお試しください。
印刷用紙に関するよくある質問
Q用紙が、どんな質感なのか、厚さはどれくらいなのか教えてください。
「取り扱い用紙について」をご確認ください。また、実際にご確認いただくためにすべての種類、厚さをセットにした「用紙見本セット」をご用意しております。「資料請求フォーム」よりご請求ください。
まとめ
この記事では、印刷用紙の種類について解説しました。
印刷用紙の種類は主に5種類あり、手触りや発色・光沢・筆記特性が異なります。
表面に塗料がコーティングされている用紙や特殊な加工がされている用紙など、特徴はさまざまです。
用紙選びに迷った時には、種類別の特徴と向いている用途を理解してから、印刷会社に依頼しましょう。