ポートフォリオを制作・印刷製本する方法をわかりやすく解説
卒業制作や就職活動のために、ポートフォリオを作成することもあると思いますが、ご自身で制作する人がほとんどではないでしょうか?
ご自身で製本まで行うのが大変な場合は、印刷会社にポートフォリオの印刷・製本を依頼するということもできます。
この記事ではポートフォリオを自分で作成する方法や、印刷会社に製本を依頼するメリットを紹介します。
ポートフォリオって何?
そもそもポートフォリオとは何かご存知でしょうか?
卒業制作や就職活動に使用されるポートフォリオについて解説します。
ポートフォリオとは?
ポートフォリオとは、デザインや企画など過去の制作実績をまとめた、作品紹介用の冊子のことです。
学生やデザイナーが企業に自分を売り込むための自己PR用の資料としてよく使用されます。
ポートフォリオがあることで、履歴書や職務経歴書だけでは判断が難しいスキル面について、過去の作品、実績を提示して自分の能力を証明することができます。就職活動では、どのような企業に対してどの職業に応募するかによってアピールするポイントも変わるため、応募ごとにポートフォリオを制作する方が良い場合もあります。
なお、「ポートフォリオ」という用語は、イタリア語のPortafoglio(ポルタフォリオ)から来ています。Portaは運ぶ、保つ、携帯用という意味の用語で、Foglioは紙や紙幣といった意味合いを持つことから、ポルタフォリオは、「札入れ・紙幣専用の財布」のことを指します。そこから転じて、ポートフォリオは「書類を運ぶためのケース」「ひとかたまりの意味・目的を持った書類の束」といった意味合いで使われるようになっていきました。
ポートフォリオが使われる職業
ポートフォリオが必要とされる職業は、自分のスキルを証明する必要があるクリエイター職に多いです。
具体的には以下のような職業でポートフォリオが使用されます。
・グラフィックデザイナー
・イラストレーター
・フォトグラファー
・WEBデザイナー
・ゲームクリエイター
・建築家
・ファッションデザイナー
・造形作家
・アニメクリエイター
このような職業を希望している人は、前もってポートフォリオ制作に慣れておくことをおすすめします。
最近では、WEB上でポートフォリオを掲載することも多いですが、希望の職種や必要に応じて、紙のポートフォリオと使い分けるとよいでしょう。
ポートフォリオの作成方法
では実際にポートフォリオを制作する方法を解説します。
ポートフォリオ制作方法は自分で印刷してまとめる方法と、印刷会社に印刷・製本を依頼して作成する方法があります。
ここでは、この2つの方法について解説していきます。
自分で作成する
自分でポートフォリオを作成する場合に手軽なのは、自宅のプリンターから印刷してまとめる方法です。
自宅のプリンターを使用することで単価をインク代と紙代のみで安く抑えることができ、自由にデザインすることができます。
しかし、自宅のプリンターで制作した場合は、手作り感が出やすくなるのは否めません。また、プリンター設定を自分で行う必要がある、思ったとおりに出力されない等の負担やデメリットがあります。
自宅ほど手軽ではないものの、コンビニなどのネットプリントサービスを利用する方法もあります。
ポートフォリオに使用したいデータや写真をUSBに移して持っていくか、専用サイトに画像をアップロードしておくとコンビニのマルチコピー機で印刷することができます。
印刷会社に比べると、用紙の種類や対応サイズが制限されますが、画像設定や印刷方法などを自動で設定してくれるため、自宅のプリンターを使用するよりは負担も少なくて済みます。
なお、印刷した各ページは自分で製本する他にクリアファイルやバインダーを活用するという方法もあります。
製本価格を抑えることができる反面、ファイルのサイズやデザイン性の制限、入るページ数が決まっている、作品の入れ替えに手間が生じてしまうなどのデメリットがあります。
このあたりは、ご自身のポートフォリオの用途やボリュームに応じて使い分けるとよいでしょう。
印刷会社で印刷・製本する
次に紹介するのは、紙面デザインまでを自分で行い、印刷・製本は印刷会社にお願いするやり方です。
自分で製本までおこなえば、オリジナリティ溢れるポートフォリオに仕上げることができますが、何十冊と制作する場合には時間もかかり、労力もかかります。また、製本道具を揃えるコストも必要になります。
費用は多少かかりますが、印刷会社で製本まで行ってもらうことで綺麗なポートフォリオに仕上がります。自分で製本する場合と違い、品質のムラも無く、作り直しなどのリスクも考える必要はありません。
また、印刷会社なら、冊子の綴じ方や用紙の種類も複数の中から選ぶことができます。プロが仕上げを行なうことでポートフォリオとしての完成度も増します。
ポートフォリオを自作した場合は一度企業に提出してしまえば、返却されることは無いため、都度、自作しなければいけませんが、印刷会社ならまとめて印刷したり、都度増刷するのも容易です。
印刷会社を利用することで、デザイナーになった際に必要となるデータ入稿の経験にもなります。
最後に、Webからデータ入稿が行えるおすすめのネット印刷を紹介しておきます。
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・中綴じ冊子、無線綴じ冊子の印刷が安い!冊子以外の印刷物も一緒に頼める。
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印刷会社での印刷方式の種類
印刷会社で印刷する方式には以下の3種類があります。
・オンデマンド印刷
・デジタル印刷
・オフセット印刷
それぞれの印刷方式の特徴を理解して、理想のポートフォリオ制作を行いましょう。
オンデマンド印刷
オンデマンド印刷は、数部〜数百部程度の少部数の印刷に向いている印刷方式です。 必要なときに必要な部数を印刷できるところから「オンデマンド印刷」と呼ばれます。
データをプリンタに直接送って印刷するため、印刷用の版が不要で、少部数の印刷を低コスト・短納期で行うことができます。 ネット印刷プリントモールでは、トナーを使用するレーザー印刷機でオンデマンド印刷を行っています。
デジタル印刷
デジタル印刷は、オンデマンド印刷と同様に、印刷用の版が不要でデジタルデータから直接印刷を行う方式です。
オンデマンド印刷同様に少部数の印刷に向いており、100部〜3000部程度の印刷を低コストで行うことができます。
一般的にデジタル印刷とオンデマンド印刷はほぼ同じ意味を持ちますが、プリントモールではインクジェットタイプのデジタル印刷機を導入し、3000部程度までの印刷を低コストで提供しています。
オフセット印刷
オフセット印刷は、版にインキをのせて印刷する方式で、大部数での印刷に向いています。 多くの商業印刷物やカラー印刷に用いられており、オンデマンド印刷に比べると、より鮮明で細部まで美しい仕上がりの印刷が可能です。
ただし、版を作成するコストがかかるため、少部数の印刷を行う場合は、割高になってしまうのがデメリットです。 数千部〜数万部の印刷物を依頼する場合や、特に仕上がりを重視したい場合にはオフセット印刷がおすすめです。
ポートフォリオの印刷用紙
ポートフォリオを印刷する際には、印刷用紙の厚み・重さにも気を配りましょう。 印刷会社に依頼する際にも、用紙の指定が必要になります。
印刷用紙の厚み・重さについて
印刷用紙には、同じ銘柄でも厚み・重さが複数あるのが一般的です。ここでは、用紙の厚み・重さを表す単位について理解していきましょう。
印刷用紙の厚み・重さは「連量」や「坪量」という単位で表します。
・連量
印刷用紙の重さを表す単位です。 「連」とは一定の寸法で作られた印刷用紙を1,000枚束ねた束のことを指し、「連量」は1連(=1,000枚の用紙束)の重さを表しています。単位は「kg」となります。
例えば、「上質紙70kg」「上質紙90kg」というように「用紙銘柄 + kg」で表し、数字が大きいほど用紙に厚みがあることを示します。
・坪量
1㎡あたりの印刷用紙の重さを表し、単位は「g/㎡」となります。連量と同様に、重さが大きいほど、厚みがあることを意味します。
例えば、一般的なコピー用紙の場合の坪量は66.7g/㎡、郵便はがきの場合は230g/㎡となり、郵便はがきの方が厚みがあることが数字でわかるようになっています。
印刷用紙の質感の違い
印刷用紙にはそれぞれ質感に特徴があり、どんな用紙を選ぶかでポートフォリオから受けるイメージも変わります。
・コート紙
表面に光沢加工がされた艶のある印刷用紙です。発色が良くフルカラー印刷や写真集などに向いています。
一方で、筆記性は劣るため、メモ用紙など書き込みをする用途には向いていません。
・マットコート紙
表面に光沢が抑えられた加工がされた印刷用紙です。光の反射がコート紙よりも抑えられているため、光がちらつかず、文字も読みやすいのが特徴です。
また、発色も良いため、写真と文章をどちらも見せたいパンフレットやガイドブックなどに向いています。 コート紙同様に、筆記性は上質紙などより劣ります。
・上質紙
表面加工がされていない、さらさらとした手触りの印刷用紙です。 筆記性が良く、ノートやコピー用紙としても広く使用されています。テキスト冊子やモノクロの文章中心の書籍などに向いています。
・カード紙
パッケージや台紙にも使われる板紙の一種です。表面に光沢加工がされており、カラー印刷も色鮮やかに再現されます。コート紙などと同様に、筆記性は低いため書き込みには向いていません。冊子の表紙やポストカードなどに向いています。
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ポートフォリオ印刷をお考えの方はぜひご活用ください。
まとめ
卒業制作や就職活動で使用するポートフォリオは、自分の作品やスキルをアピールできるツールです。自分の理想に沿った形で製本したい、自分の魅力を知ってもらえる自分らしいポートフォリオを製本したいと考える人も多いでしょう。
この記事を参考に、自分でポートフォリオを製本するか、印刷会社に製本を依頼するのかを検討してみるとよいでしょう。
自分の納得できるポートフォリオに仕上がるよう、手間や費用を考慮して製本方法を選びましょう。