オフセット印刷とは?オンデマンド印刷との違いやメリット・デメリットをご紹介!

印刷方法にはいくつか種類があります。
「オフセット印刷」や「オンデマンド印刷」はよく耳にする代表的な印刷方法ですね。
この記事ではその中の「オフセット印刷」の特徴や仕組み、メリットやデメリットについて解説します。

オフセット印刷とは?

オフセット印刷とは、一般的な雑誌や書籍、チラシやカタログなどに広く使われている印刷方式です。
大部数の印刷に適していて、大量に高速で印刷することで単価を低く抑えられます。
イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの4色のインクの版をかけあわせることで、鮮明なフルカラー印刷を行なえるのが特徴です。

オフセット印刷の構造と特徴

オフセット印刷では、印刷する際に「版(ハンコ)」を作成して使用します。

この版にインクをつけ、「ブランケット」と呼ばれるゴム製のローラーに転写した後、ブランケットから紙に印刷されます。


版から直接、紙に転写するのではなく、ブランケットを介して転写するため、版が摩耗せず、同じ絵柄の印刷物を高い品質で作ることができます。
インクには、速乾性が高い顔料油性インクが用いられます。乾きのよいインクを使うことで大量に印刷できるのもオフセット印刷の特徴です。

なお「オフセット(OFFSET)」とは、一度、版からブランケットにインクを転写し、さらにブランケットから紙に転写して印刷することを表しています。
版のインクをブランケットに一度移す(離す=OFF)+ブランケットから紙にインクを付ける(=SET)=OFFSET(オフセット)印刷という意味で名付けられました。

CMYKによる色表現

フルカラー印刷の場合は、CMYKの4色による色表現でカラーを再現します。

Cシアン(青)、Mマゼンタ(赤)、Yイエロー(黃)、Kブラック(黒)」の4色で色を表現しており、色の濃度が100%の場合は「ベタ」と呼ばれ、インクは均一に表現されます。
CMKYの4色でほとんどの色を再現することができ、モノクロ印刷の場合はK(ブラック)のみで印刷されます。

CMKYそれぞれ4つの版を順番に塗り重ねることで、さまざまな色を再現します。

網点による濃淡表現

色の表現は、「網点(アミテン)」と呼ばれる点の集合で作られます。
点の集合で表現されるので、濃度が高いと点が大きくなり、インクの塗られる面積が大きくなって色が濃くなります。

逆に、濃度が低いと点が小さくなり、インクの塗られる面積が小さくなるので色が薄くなります。
そのため、薄い色では、網点同士の間隔が広くなり、文字やイラストの輪郭部分が多少ギザギザに見えることもあります。

オフセット印刷とオンデマンド印刷の違いは?

オフセット印刷の他に、主要となっている印刷方式に「オンデマンド印刷」があります。

オフセット印刷とオンデマンド印刷の大きな違いは「版の有無」です。

版にインキを乗せて印刷するオフセット印刷に対して、オンデマンド印刷は、版が無く、デジタルデータから直接印刷を行います。
そのため、版作成の費用と時間が削減でき、オンデマンド印刷は少部数の印刷を短納期で行うことができます。
このように少部数の印刷に適しているため、「必要な時に必要な部数だけ印刷できる」ことからオンデマンド印刷と呼ばれています。

【オフセット印刷とオンデマンド印刷の違い】

オフセット印刷
・版にインキを乗せて印刷を行う方式
・1万部以上の大部数印刷におすすめ
・大量の印刷物を高速・短納期で仕上げることができる
・少部数ではコストが高くなる
オンデマンド印刷
・デジタルデータから直接印刷するため版が不要
・1部〜数百部程度の少部数の印刷におすすめ
・少量の印刷や、増刷・改訂に対応しやすい
・大部数では納期・コストがかさむため向いていない。

ネット印刷プリントモールでは、オンデマンド印刷を中心とした少部数の冊子印刷に対応しています。オフセット印刷での冊子お見積りも承ります。

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オフセット印刷のメリットとデメリット

【メリット】大部数を速くきれいに印刷できる

オフセット印刷は、大部数を高速で綺麗に印刷するのに適しています。
オフセット印刷の最も大きなメリットは、この生産性の高さです。
大部数であれば、高速で印刷できるので納期を短縮でき、コストパフォーマンスも良く安価での印刷が可能です。

また、オフセット印刷では色を鮮明に表現することができ、綺麗に印刷できるので写真やイラストにも向いています。
カラーページの多いカタログや、綺麗に色を表現したい写真集などにおすすめです。

【デメリット】少部数ではコストが割高

一方で、オフセット印刷は少部数の印刷には向いていません。版のコストや調整の手間などで割高になってしまいます。
数百部程度の少部数印刷であれば、版が要らず、必要な枚数だけ印刷できる「オンデマンド印刷」が向いています

大量に印刷するわけでない場合は、検討してみるとよいでしょう。

オフセット印刷が使われることの多い商品

大部数を高速で綺麗に印刷することができるオフセット印刷は、書籍や雑誌、チラシなどの商業印刷物をはじめとして幅広い印刷物に使われています。

数万部になるような大部数を印刷したい場合は、コストパフォーマンスが高いオフセット印刷がおすすめです。
また、高品質で精細な印刷再現ができることから、写真集や高級な美術書などにも向いています

【オフセット印刷に適した印刷物】

・チラシ・カタログなど大部数が必要な印刷物
・ポスターなど大判の印刷物
・折込チラシ
・パンフレット
・商品カタログ
・新聞
・書籍
・雑誌
・写真集
・高級美術書
・ポスター
・ダイレクトメール
・ポストカード
・封筒
・伝票
・クリアファイル

ネット印刷プリントモールでは、オフセット印刷のチラシやポスター印刷も承ります。
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オフセット印刷機の種類

オフセット印刷機には以下の2種類があります。

・枚葉オフセット印刷機・・・1枚ずつ紙に印刷する
・輪転オフセット印刷機・・・ロール状の紙に印刷する

それぞれの印刷機について解説していきます。

枚葉オフセット印刷機

枚葉オフセット印刷機は、1枚ずつ紙に印刷していくタイプの印刷機です。

様々なサイズの用紙で印刷が行なえ、輪転印刷機に比べて1000部程度の小ロット印刷にも対応できるのが特徴です。
輪転オフセット印刷機に比べると印刷機のサイズもそれほど大きくはありません。

輪転オフセット印刷機

ロール状の紙に高速で印刷し、乾燥から裁断までおこなうことができる印刷機です。

枚葉印刷機に比べて、ロール紙で一度に大量の印刷ができるので、新聞やチラシなど、10,000部以上の大ロット印刷に適しています
印刷機のサイズは全長40メートルにもなり、枚葉印刷機に比べて巨大なため、郊外の工場に設置されることも多いです。

まとめ

高速で大部数が綺麗に印刷できるオフセット印刷の仕組みや特徴、メリット・デメリットなどを中心に紹介しました。
印刷部数が大量の場合は、コストパフォーマンスが高くなるオフセット印刷がおすすめです。また、反対に少部数の印刷で済む場合には、オンデマンド印刷が割安です。必要な時に、必要な部数だけ低価格で印刷できるため使いやすく、エコロジーにも繋がります。
ご希望の印刷物に合わせて、オフセット印刷とオンデマンド印刷のメリットを上手に活用してください。

冊子製本お役立ちコラム編集部

冊子の印刷製本を考えている方に、知っておきたい知識やお得な情報をお届けしています。はじめての方にもわかりやすく丁寧な記事を心がけています。 日々、お客様からのお問い合わせと注文対応に追われながら学ばせていただいています。

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